第12話 銀河連合軍

「お前たちが今までゲームの中の出来事と思っていたオーヴァードフレームというゲームは、現実をそのまま移したゲームなんだ」

 僕たちに告げられる真実。そういうことなら色々と納得できる部分もあった。なぜ人が少ないゲームが多くの店舗で置かれているのか、なぜ置いておくだけで利益が入るのかなどなど、今まで疑問が一気に解決する。

「じゃあ、設定資料集の出来事も本当のことなんですか?」

「ああ。現実に三つの惑星が滅ぼされている。そして我々は二十年ほど戦争している。その中で数多くの人々が亡くなった。民間人・軍人問わずに」

 そのときの相良さんの瞳はどこか遠い目をしていた。多分、いや絶対にこの人も戦争によって何かを失ったのだろうと思わせるほどに。

「そして去年の今の時期に事故にあったお前たちの先輩――速村厚志と芝水舞――の二人だが、当然死亡したというのは偽装だ。本当は我々銀河連合軍にスカウトされて今も軍人として戦っている」

 僕と児玉さんが知りたかった先輩たちの所在も判明した。やっぱり写真にあった違和感は合成などによって偽装されたものだったのか。

「ゲームのオーヴァードフレームはそのままオーヴァードフレームのシミュレータだ。操作方法などがそのままであり、揺れとかも再現しているのも実際の戦場で被弾した時の想定したシミュレーションだ。

 だからお前たちは心などに問題がなければ、間違いなく兵士として生き残っていける。激戦でもなければ……な」

 そういったあとに、僕たちに向けて何か疑問点や質問はあるかと聞いてきた。僕はこれ以外に疑問に思っていたことを告げる。

「僕たちには証拠がまだないので、こういう言いかたになりますが、仮にあなたの話を信じたとして、なぜ僕たちは銀河連合軍にスカウトされたんですか? 大会に優勝していないのに。成績はいいほうですが」

「簡単な話だ。当然優勝者もスカウトしたが、優勝者ゆえに目立ちすぎる。ある程度は悪目立ちして、ある程度はどうなってもいい覚悟したプレイヤーを選定する必要があるが、目立ち過ぎてもまた困る。その点、お前たちみたいなのは優勝していないため注目もあまりされないから、俺たちからすると都合がいいんだ」

 そうして相良は次の質問があるかと告げる。そして氷上が口を開いた。

「今聞いた話が真実だという証拠はなんだ?」

「これから君たちに証拠を見てもらおうと思っていたところだ。丁度いいだろう。ついて来てくれ」

 僕たちは言われるがままに彼の後についていき、広い空間にたどり着いた。そこには僕たちがゲーム内などで見ていた人型機動兵器――オーバードフレーム――があった。

「起動開始だ」

 目の前のロボットがゲーム内と同じように動き始めた。

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