第18話 『スピヴァコフスキー様』


 こちらも、ファンにはよく知られる録音だろうと思います。


 聴いていますのは、むかし、コロンビアのダイヤモンド1000シリーズで出ていたLPレコードです。(MS-1030-EV)


 指揮は、タウノ・ハンニカイネンさま。ロンドン交響楽団。


 ハンニカイネンさま(1896~1968)は、もともとチェリストで、ご兄弟でトリオを作っていたそうです。


 トッシー・スピヴァコフスキーさま(1906~1998)は、現在のウクライナ、オデーサのお生まれ。


 こちらは、指揮の、ハンニカイネンさまともども、けっこうオリジナルな演奏を聴かせてくださいます。


 第1楽章の主題の扱いについて、やや、あえてフレーズに、ちょっと隙間を取るという手法をしています。ろうろうと演奏するのがわりに普通で、あまり聴かないやりかたです。たとえば、11小節の16分音符ふたつの前にも、ちょっとした空間を開けます。


 楽譜に、そうした指示はないと思います。


 しかし、にも拘らず、冒頭の歌心はなかなか印象的です。


 ただし、耽美的にはなりませんで、ふたつめの主題でも、やや、間を空けて、そのあたりのバランスを取ります。


 みっつめのオーケストラの主題は、ハンニカイネンさまが、いきます! テンポを少しあげながら前向きに。


 カデンツァも、さくさく、とゆきまして、やはり名人さんだと実感させます。


 再現部の2つ目の主題は、引き続き歌いすぎないようにしています。


 第2楽章は、とびきりの名演奏。オーケストラも印象的な音を聴かせてくれます。


 第3楽章は、あたまのオケが、かなりのテンポで入りまして、やや、どうなるの? と、なかなか、スリリングです。


 音はステレオ初期時代かと思いますが、良いです。


 現在も、輸入LPが出ていたりしますが、やましんにはめんたまがとびでそうなお値段です。


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『しべこん詩編集』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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