第14話 『テルマーニ様』

 ハンガリー出身で、デンマークで活躍したヴァイオニストさま。(1892~1988)


 フバイ先生の弟子。


 1952年に、コペンハーゲンで録音されたものだそうです。


 デンマークのダナコード・レーベルから、CDが出ておりました。(DACOCD 697-698)


 たいへんに、かっこよく、お見事な演奏です。


 音も良く録れています。


 管弦楽は、デンマーク放送交響楽団。


 そつなく、上手いです。


 指揮は、トーマス・イエンセンさま。(1898~1963)


 シベコンの場合、ソロと、オケはほぼ対等な存在で、ソロばかりが目立つと面白味が減少してしまいますし、オケも、ばっちり目立つ場所と、ソロと絶妙にからまないとならない場所もありますから、録音でも、そこらあたりが、難しい。


 また、ヴァイオリン・ソロには、長いカデンツァがあります。(初期バージョンでは、カデンツァがふたつあった!)


 第1楽章の終結部は、微妙にずれやすいようです。


 テルマーニさまの録音は、まず、ソリストがすっごく上手いし音も美しいし、表現力も素晴らしいし、全体がバランスよく、オケも、指揮者もこれまた上手い。


 録音がちょっと古くて、雑音が入る場所がありますが、このあたりは、しかたないです。


 これといって、気に入らないところがない、立派な、尊敬に値する名演。



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