第9話 『バリノヴァ様』

 芯のしっかりした、とても明確な演奏です。


 これも好き!


 出だし、結構、早いテンポですが、なかなか攻撃的な攻めの演奏。


 ふたつ目の主題も、くっきりとした造形ですが、繰り返しのあと、ちょっと耽美的になります。


 3つ目の主題は、オケがしっかり聞こえないと面白くないのですが、この録音は古い(1947年のよう)わりにしっかり聞こえます。


 カデンツァも堂々としたもの。


 再現部が素晴らしいです。


 第二主題は、しべ先生が、わざわざリズムを提示部とは変えているのですが、それをじっくりと感じるような演奏。


 第二楽章は、この名曲の数ある名演奏の中でも、やましんが好きな演奏です。


 第三楽章は、すごく速く弾くかたと、わりにゆっくりゆくかたと別れますが、バリノヴァさまは、中間どころ。


 慌てず騒がす行きます。


 一番オケが格好イイところが、ちょっとおとなしいけど。これは指揮者さまの采配かな。


 ラストも、荒くならないですしオケとの息も崩れない。  


 ちょっとテンポを落として終わります。


 誠実で丁寧な基本を崩さない、はったりなんかはしない、好感度の高い名演奏かと思います。

  

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