第8話 『ウィックス様』

 カミラ・ウィックスさまは、『しべこん』の女王様です。


 1952年の録音ですから、音は比較的安定しています。


 しかし、この演奏も、現在に至るまで、よりよい音を欲して、さまざまな復刻版


が作られてきました。


 人気があります。


 ウィックス様はノルウェー系のアメリカ人。(お父様がノルウェーの方)


 そこが共鳴しているのか、大変この曲とは相性がよさそうです。


 また、ここで指揮しているのが、シクステン・エールリンクさま(1918~


2005)ですが、オケのストックホルム放送交響楽団とともに、これまた『しべ


こん』は自家薬籠中の物で、慣れ親しんでいるという感じで隙がありません。


 まあ、言ってみれば、一般に広くおすすめしてよい、最初期の名盤という感じで


す。


 当然のごとく、シベ先生は、「自分の協奏曲の最高の演奏者」いうくらい


に褒めていたと言われます。


 曲全体にわたって、均一に、高度に完成された名演奏です。

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