第2話 『スターン様』その1

 アイザック・スターンさま(1920~1991)は、確か、『しべこん』を二度録音しています。しかし、今回は、二度目のステレオ録音のことで、指揮はユージン・オーマンディーさま。フィラデルフィア管弦楽団であります。


 録音されたのは、1969年の2月7日とされております。


 なぜ、この演奏が一番に来るかと言うと、これこそ、やましんが中学生以来、最もお世話になってきた、つまり、この曲を最初に聞いたLPレコードだから、であります。(曲そのものは、その前にテレビで見ていましたが。)


 きわめて大都会的な演奏で、いかにもエリートタイプの演奏なので、あまりにも洗練され過ぎてるとして、嫌いな方もいらっしゃるだろうなあ。。。と勝手に推測いたしますが、実はシベ先生は、かなりの高級志向で、お金はないのに、借金してでも、良い服、良いたばこ、良いお酒・・・を好んだ方です。なので写真を見ても、たいがい、いつも、ぴしっと、しているでしょう? アメリカで人気が出た要因のひとつはそれ、と言われたりもします(アメリカ人は高級志向?) お父上が早く亡くなり、お母様の苦労を見て育った、その心理的な反動ではないか、とも言われたりもしますが・・・そこはどうなのでしょう?


 でも、お父様は、お医者様でしたが、人が良すぎて、多額の借金を残してしまったようです。


 お母様は・・・そうして、その癖を受け次いでしまったシベ先生の、最愛の奥様、アイノさまは、その借金の返済に随分苦労なさったようです。


 あ、にくまれ口は言わないはずでしたね!


 ええ。このスターン様の演奏、ぼくは好きです。


 カッコいいです。


 多くの『しべこん』の録音の中でも、やましんにとっては、ちょっと特別な席を、いつも確保している名演奏です。


 でも、ある音楽雑誌恒例の順位決め競争なんかでも、あまり上に来ないのは、ちょっと心外かな。



 




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