6-3 晩餐
半信半疑のセラブレイトを連れ、メイドに案内された先は巨大なテーブルを擁した一室だった。
「ああ、ドラウ。よく来たね。それに君も。ま、かけてくれ。」
アインズが手を鳴らすと、銀のカートに乗った料理が並べられ、湧き立つような蒸気とともに芳しい香りが流れてきた。
「色々と秘蔵の品を探してきたんだ。フォートルのモモ肉も使ってる。ドロップ率…不条理な存在にね。苦しめられながら入手したものなんだ…そっちの君はスープとパンだ。」
聞いたことの無い家畜だった。ただ尋常ではない肉汁と香り。美しい肉だっだ。だがアインズの分はなかった。
「はは、骸骨は唾を出せないのさ。きみが喜んでくれたらそれでいい。」
人の食べる姿をまじまじ見るのはあまりいい趣味ではない。
「そう、食事は互いが楽しむものだな。色々話せたら嬉しいよ。お付きの君も、私を知ってほしい。あまり睨まれると悲しいからね。」
アインズの言葉に失態を気づかされた。そうだった。セラブレイトは仮にも聖戦士。
「いいのさ、ドラウ。君の誠意を疑ってはないよ。彼が悪いわけでもない。お互いを知らなすぎる。だからこその晩餐だ。楽しもうじゃないか。」
「悪いがな。アンデッド。種族は問題じゃねえんだよ。あんたは危険だ。こんなモノ、食えねえな。失礼する。王女様。行きましょう。」
「セラブレイト。お前は、恩人の好意に…」
「あいつが、恩人なわけがない。あいつは悪そのもの。最悪以上の極悪だ。言葉を交わすべきじゃない。こちらへ。」
セラブレイトに引っ張られ、部屋を横切る。テーブルの向こうのアインズは悲しそうに首を振っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます