5-2 国の行方 後
「全種族の共存?それは人間種を食べる者たちも?」
ビーストマンの隣で寝ろという事か?
「無論だ。そもそも人間を食べるという性質は先天的なものなのか?」
「先天的かどうかなんて関係あるの?彼らは人間を喜んで食う。それが事実。それが文化であれ、そういう傾向を持っているだけでも危険よ。」
「ふむ。それじゃあ、君の国民はみんな天使なのか?犯罪は人間の先天的種族傾向といえるだろう?」
「それとこれとは意味が違う。彼らは…」
「いいや、違わない。人間でもカニバリズムはある。殺人も起こる。だが、共生できている。
人肉を食うのが先天的でないなら、共存できるさ。そもそも、人肉が特別な筈はないからな。ゴブリン、オークなどは普通の非知的生物の肉や植物で満足しているのだから。」
共生。感情的には絶対あり得ないが、それを支える理論がない。ただ、
「国民はそれを認められるかしら?彼らにとってビーストマンは恐怖よ。」
「君の国民は共生を認めなくても構わないさ。あくまでわが国の方針だよ。貴国は和平をするだけなのだからな。」
「私の国をプロパガンダにするって話じゃあ無いの?無いならますます目的が見えないわ。」
「ああ、目的は簡単だ。何事も信頼と実績だよ。和平の立役者になる。どうやら骸骨が平和を叫んでも信じがたいらしいのでな。」
「それだけの為に協力するの?」
投資として、大きすぎる気がする。
「それだけだよ。まあ、願わくば今後ともよい関係を築きたいものがな?」
「…それは、個人としても含むの?」
「ああ。それに越したことはないさ。君は非常に可愛らしい姿をできるだろう?骸骨に花を添えてくれたら他国の印象も変わるかもしれない。」
やはりか。つまり嫁にしたい、と。
生物以外ですら幼女が好きだったとは呆れた話だ。だが、相手の気を引くだけで国を救えるなら安いものかもしれない。問題は国交だが…それは国が救われた後で考えよう…
「それで国を救えるならば、手を取らして欲しい。」
「理解してもらえて嬉しいよ。それじゃあ具体的な計画の話をしようか。」
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