妄想実現装置

@hakashizu

第1話

これで何回目だよ!

原誠一43歳はただの平社員だった。給料も少ない、家族もいない、ましてや恋人など10数年はいない。人から見たら生きていることに精一杯なかわいそうな男にしか見えないだろう。しかし、彼は幸せだった。

今日もあのクソ上司死ねばいいのにと思いながら、ゆっくりとソファにもたれた。大好きだったビールとタバコは5年も前に辞めた。なぜなら必要なくなったからだ。彼の手にあるのは1キロくらいのヘッドホンだ。これで十分。彼はそれを装着するとゆっくりと目を瞑った。

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