第13話 夢から覚めた2人
「なんじゃ、なんじゃ、二人とも。わしをそんな眼でみるんじゃない。」
二人は布団から起き上がった姿勢のまま目の前にいる黄色い狸をみていました。こいつは一体誰なんだ? 僕たちはどうしてこんな畳の部屋にいるんだと?
「そんな人を疑うような眼で眺められてもなー。」
と目の前の黄色い狸は言い、両方の手を見えやすいように二人の前に持っていって、
「ほら、何ももってないじゃろ」
と閉じていた手を二人の眼の前で開いてみせたのでした。
二人はそんなことを聞きたいわけではないので、その開いた手を見ずに黄色い狸の眼を見ていました。赤くてまるで火山のなかにいるかのような燃えたぎるような紅蓮の瞳を。
黄色い狸もその二人の真剣な目(まなざし)を眼の前にして、これは話すしかないなと思い、おもむろに一つ咳ばらいをしたのでした。
「おっほん。どこから話したらよいかのー」
と黄色い狸は言い、左手を頭の上におき、髪の毛をかきかきしています。
「そうじゃそうじゃ。おまえらはあの白い衣をきた爺さんに会わなかったか?」
「ああそれなら、僕をこんな体にしやがったあの変な神か?」
変な神????そんないわれよう??こりゃあちょったあ、しくじったんじゃあないのかあのじじい。と黄色い狸は頭の中で思いながらも口にはださず、
「わしはその神とちょっとした知り合いでなー。で、その神になんといわれたんじゃ?」
黄色い狸はそういって尋ねるような仕草をし、それに馬を引く者が答えるのでした。
「今から北に見える森に向かい、その森を抜け、その森をぬけた所に赤い煉瓦の家がある。その家にいるタヌキんど一世に会いに行け。それと、森を抜けるには、森を抜ける直前に出て来るCSまんとひひを倒さなければ抜けることができない。
と言われ、そのあとこんな体に変えられてしまったんじゃ。」
と馬を引く者は言い、また強い眼差しで相手の眼をまっすぐに見据えるのでした。
「えっへん、では話そうか。我がおまえたちが探しているタヌキんど一世だ。」
「ええー」
と二人揃えて声をあげ、まあきけきけとタヌキんど一世は言い、二人の前に両方の手の甲をみせ、こいこいというような動きであおぎ、まあまあというようになだめるのでした。
「我がタヌキんど一世だ。我は神からおまえたち二人を赤龍と対当に戦えるようにするために鍛えるよう仰せつかっておる。で、我以外にもそう仰せつかった者がこの星には五人おる。きつね仙人、足まである白くて長いひげをたくわえた黒いきつね。タヌキんど伯爵、赤いメガネがトレードマークの緑色の狸。白(しろ)ぎつね、体の色は赤色なのに白ぎつねと呼ばれている赤色のきつね。海苔(のり)ダヌキ、海苔のように深緑色の肩までのびる髪を背中にいつもながしている群青色の肌をした群青色の狸。そして最後に赤(あか)ぎつね、体の色は白色なのに赤ぎつねと呼ばれている白色のきつね。その計六人が、おまえら普通の狸とながした茶色い髪と茶色い体の馬を鍛えるために修行につきあう。赤龍を倒すために。」
と言い、赤龍を倒すためにのところで立ちあがり、布団に座っている馬を引く者と馬の眼を見据えて、右手の人指し指をのばして二人につきつけ、赤龍を倒すためにと力強く低い声でいいはなったのでした。
その声にはとても怒気がこもっており、眼も威圧感たっぷりなのでした。
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