黒いお前

黒い何かが後ろにいます。

常に僕の後で微笑んでおります。

ニコニコ、ニヤニヤ

僕はそんなあいつを心から愛しております。

愛おしい黒いお前。狂おしい黒いお前。

何故そこまで、僕を落とそうとしているのかわからない…

ただ、お前が大きくなるにつれて僕の体と心も壊れていくのです。

痛い。寂しい。悲しい。愛おしい。麗しい。

一気に、襲ってくるのです。

波のようにザッパーンと襲いかかってくるのです。

まだまだ、未熟な僕は受け止めきれずに全て拐われて。

波が引けば、残ったのは空っぽな僕と虚しい感情だけで他は広い海の中。

黒いお前の中に僕の全てがいるのかい?

なら、返せとは言わないから。

気が済むまで持っていてもいいから。

だから、その君が持っている僕の愛で僕を愛してくれるかい?

それでも足りないから、その感情で全て認めて離れないで居て欲しい。

感情を奪った黒いお前最後のお願いさ。

頼む、こんな僕愛で包んだ後にそっと口ずけをして名前を呼んでくれ。

僕の名前を。

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