1. 地獄の底で — At a bottom of the hell

 眼に映ったのは、赤く染まった空だった。


 動かない手足を抱え、灼熱の地獄の底に横たわりながらもミラの心は銃弾のように冷えきっていた。

 死への恐怖はない。ただ思い出すのは動かなくなった両親と弟の姿。私もやっと皆のところに行ける。その安堵感に包まれてミラは眼を閉じる。

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