退廃的な雑芥



人生が雑になっていることを自覚する

私というものが次第に雑芥に近い何かになり

それはある程度は真実で

また他方ではデカダンな陶酔であるのだけど

どうということはなく

自分を切り売りしてみたところで

何も減りはしないので

傷は増えるのかもしれない


些少の退廃が欲しくて

わずかな空想をもてあそぶ

私というものが明々白々な雑芥になって

脱がせる価値もなくなって

あるいは着飾る価値もなくなって

どのみちはっきり言っておきますが

多くの殿方は

女が着ている服がかわいいかどうかなんて

見ていやしません


些末な退廃を志向して

本当に雑芥になってしまった心持ちで

売れない自分

売らなくていい自分を

こころのうちでさまよわせる

絆創膏をひとつ

額に貼っていたほうが

よっぽどひっかかる

売りたい自分は買われない

たぶん私も

あなたが本当に売りたいものを

買ってはこなかったのでしょう




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