第5回 『人工衛星の供養』その3

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「月面反射は、非常に効率が良くありません。100W以上の送信機が必要だし、高感度な受信機、よい八木アンテナ、国の免許も必要だし、設備の点検も厳しい。そんなめんどくさいことする人は、ごく少数ですよ。まあ、ぼくはその一人。」


「おじさん、おだいもくはよいとして、この際、やってみてくださいぞなもし。相手は月じゃない。人工衛星ぞな。許可求めてる暇はないぞなもし。」


「まあ、やってはみるが、どの衛星?」


「こいつです。ここ。衛星とは言えないが。」


「じゃあ、まあ、ありえないけど。そこに向けて電波を発射してみよう。電文は?」


「これです。『宇宙船さんたちをなぐさめて、供養をしたいです。供養を行ったら雨止めてくれますか。条件を聞かせてください。』


「まるで、小学生のお手紙のような。」


「まあ、やってみてくださいぞな。水没したくないでしょぞな?」


「わかった。時間くれ、いいタイミングでやってみるから。」


「早めに頼むぞな。」



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