新しい眼鏡2

 でも新しい眼鏡を作ることにした。

 僕の目に合うレンズの在庫が運良くあったので、眼鏡はその日のうちに受け取ることができた。

「めでたしめでたし」

 これでアオイさんから離れても大丈夫。

 アオイさんは恨めしそうな顔をしている。

 その顔には伊達眼鏡が掛かっている。

 よく似合っていたし、やっぱり眼鏡を掛けていた方が擬人化眼鏡という正体との齟齬が少ないように感じる。

 気分良く眼鏡屋さんを出ると、僕の顔の眼鏡はなくなって、男の人が隣に立っていた。

「カケル。俺を選んでくれてありがとう」

 耳元で囁かれる。

 本当に人の姿になった。

 しかも本当に男だ。

「僕も会えて嬉しいですよ、スティーブ」

 スティーブなんだ、とアオイさんが呟いた。

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