新しい眼鏡3

「しかしこれで、呪いが本当だとわかったわけですが、僕に考えがあります」

「なんでしょう」

 とアオイさん。

「僕が眼鏡を買うと、男の人になる。しかもイケメンの。なら眼鏡をたくさん買って、イケメンを求めている人たちに転売したら大儲けできるのではないでしょうか」

「人身売買では」

「人じゃなくて眼鏡だから大丈夫でしょう。というわけでフリマアプリで出品したところ、スティーブは五万円で売れました」

「早っ」

「さよなら、スティーブ、君のことは忘れない」

「俺もだよカケル。カケルと一緒にいた日々のことは、俺の大切な思い出だから」

 僕とスティーブは泣きながら握手した。

「一時間も一緒にいなかったですけどね」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る