第五十七話「決闘」
「おい。何をしている、
「党中央……いや、
「何だと」
男の名は、
朝鮮共産主義人民共和国国防委員会副委員長、つまり北朝鮮のナンバー2である。
「
「
「ヘリオスの犬に成り下がって、か」
「そうではない。ヘリオスは我らとともにひとつの世界を作りあげる同志だ。国家同士が資源を巡って争う時代は、終わりを迎えようとしている。朝鮮は世界と融合する。皆が豊かで平和に暮らせる、素晴らしい
「
まるで白金機関のような理想を説く
「そのためにも、まずは
びいいいい。
唐突にけたたましい警報機の音が響き渡り、ぼくの隣にいた
「ふん」
「耄碌じじい。ここがどこだか忘れたのか。朝鮮共産党本部、つまりは俺の庭だぞ。いくら貴様が
得意げでいる
「くっくっく。昨日の晩、我々
「何だと」
ぱあんぱんぱんぱんぱん。
一瞬の隙を見て、姉さんが大柄な
銃士としても超一流の姉さんの高速かつ正確な射撃は、防弾ベストに身を包んだ
「
姉さんは涼しい顔で、先ほどまで自分を捕らえ拷問しようとしていた
「あなたがここで我々と共闘していただけるのなら、先ほどのミサイル発射の件はなかったことにしましょう。そしてふたたび秘密結社ヘリオスという共通の敵を持つ同志として、貴国にはこれまで以上の武器と経済援助を約束します。このままでは、あなたも我々も、秘密結社ヘリオスに
「ふん」
「たしかに貴様の言うとおりだ。今は裏切り者の粛清が先だな」
「ありがとう。冷静ですね。やはりあなたを戦略パートナーとして選んだのは正解だったようです」
ヒヅル姉さんが、
「
馬鹿な。唐突な
「くっくっく。ひよっ子めが。調子に乗りおって。お前に戦いを教えたのはこの儂だ。いいだろう。その
ぼくの予想とは裏腹に、
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