エピローグ

俺と華凪は高校を卒業するとすぐに結婚した。それとほぼ同時期に、華凪はアイドルグループを卒業し、芸能界を引退した。人気アイドルの『卒業即結婚』は様々な波紋を呼んだ。俺や華凪の自宅にマスコミが連日押しかけたくらいだ。そして・・・




華凪は今、俺との子どもを妊娠している。




妊娠が発覚したのは2月の初めだった。お互い学年末試験が終わり、卒業式まで自由登校になる時だった。俺は高3から芸能活動を本格的に再開し、ドラマやCMにも出演。主演することになった映画の撮影も順調に進み、夏には公開が控えていた。そして華凪も高校を卒業し、これからアイドルとしての活動が本格化するところだった。


高校の卒業式が終わった3月には、華凪が月末でグループを卒業することを発表し、併せて芸能界を引退することも発表した。そして4月初旬、俺との結婚と妊娠を発表したのだ。




「彰吾、こんなことになってごめんね・・・」




籍を入れ、倉本華凪くらもとかなぎとなった妊娠中の幼なじみは、結婚と同時に住むことになった東京都内のマンションで、俺にそんなことを言っていた。出産予定日は9月初旬だそうだ。例の妊娠結婚発表以来、結婚相手である俺は度重なるバッシングを受けていた。3月末に撮影が終わったばかりの主演映画は、公開が延期され、いつ公開されるかも未定である。しかしそれでも、




「私は彰吾と結婚できて幸せだよ」




と最愛の妻は言ってくれた。そして、「俺も華凪と結婚できて幸せだよ・・・」と夫である俺は華凪にそう言ってあげたのだった。




◇ ◇ ◇




9月1日、華凪は元気な女の子を産んだ。俺は娘に「華凛かりん」と名付けた。華凪は別の名前の方がいいと言っていたが、最終的には同意してくれた。


俺も華凪も、華凛が産まれてからはベッタリだった。親というものはきっと、みんな産まれた子どもにずっとベッタリになるんだと思った。


そして、俺と華凪は華凛の誕生を機に、家族のため、そして将来のために、一戸建てを買う準備を始めた。




「今の家じゃ、子供の住む所がないな。3人で暮らすには狭い。今はいいけど、成長したら引っ越そう」


「そ、そうだよね!でも、4LDKの一戸建てに住みたいなぁ・・・」


「・・・そうだな。でも都内から離れられないし、最低でも1億はかかりそうだな。でも俺は新人同然でお金もない。ただでさえ、親から資金面を色々援助して暮らしてているのに・・・」


「彰吾、華凛も大きい家に住みたいって言ってるよー」


「まぁ、俺がちゃんと稼げるようになるか、2人目ができるか、華凛が成長するまではこのマンションに住もうか」




と華凪に言ったのであった。




◇ ◇ ◇




それから長い月日が経った。




華凛はこの春から高校生になり、次女の春華はるかも中学生、三女のなぎも小学5年生になった。華凪は10年以上前に芸能活動を再開し、育児の傍ら、女優として、数々の映画やドラマに出演している。




自宅は都内のある住宅地にある数億円で買った一戸建てだ。もうここに引っ越して10年近くになる。俺自身、俳優として軌道に乗り、最近はニュース番組の司会を務めるになった。そして華凪は華凛の出産後、ネットで衣料品や化粧品の販売を始めた。その販売でかなりの収益を得たおかげで家を買うことにそこまで苦労しなかった。




◇ ◇ ◇




俺の人生は幸せだと思う。ハッピーエンドだ。アイドルの幼なじみと両想いになれて結婚し、可愛い3人の娘ができた。つーか、これで幸せでなければ何なんだ・・・


俺は、華凪が結婚相手になってよかったと思う。結婚した当初は、色々言われていたが、最後はハッピーエンドになればいいと、当時はそう思っていた。今思えばいい思い出だと思う。




俺は、華凪と3人の娘にそう言ってやったのだった。




◇ ◇ ◇




あとがきです。




8月以降、小説の投稿が難しくなったので、彰吾と華凪がちょうど付き合う展開のあと、エピローグを書き、完結することにしました。


彰吾と華凪はお互い家族想いです。この永遠の愛はずっと続くでしょう。私が保証します、はい。




それでは、またいつの日か・・・

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俺の幼なじみは人気アイドル! 青獅子 @bluelion

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