序章3話 集団対俺

大通りを歩いているせいか分からないが、向かってる最中でもオークに絡まれてる人は多く見つかる。


至る所でオークに犯された、もしくは絶賛やられている最中の女性とかも見かけるし。それを見ると助けるべきか悩む……いや、助けるしかないか。何人かは見捨てたが、さすがに最中のオークは見逃せないよな。


それに、寝覚めが悪いのは好きじゃない。


これでいいか。

一応、犯されていない人を襲おうとしているオークを先に対処する。その後に最中のオークに、だ。


計七体に石ころを投げてみた。


大丈夫、全部当たった。そりゃ怒るよね。


頭に石を当てられたら誰だって怒るわ。


俊敏自体は先の戦いで遅いのはわかっている。できれば人目のつかないところで殺したい。


寄生虫はいらないからな。妹が俺に寄生するなら、全然構わないが。というか、ノープロブレム、依存してもらいたい。


とりあえず九体、三体は俺よりも女を選んだようだ。それに関してはどうする気もない、力を見せないようにしたいからな。ある程度の速度を出しながら九体をトレインして。


家の影まできた。追い詰めたとばかりに気持ちの悪い顔を歪めている。


残念。


俺は家の壁を軽く蹴ってグングニールをオークに叩きつける。一体は頭が爆ぜ、肩などに当たったオークも肩が爆ぜる。


今ので五体が満身創痍、一体は死亡。三体は俺を見て「ブオオオ」と大きな声を上げた。


そのまま突進してきたが、さっきのを見てなかったのか。


俊敏ならオークよりも俺の方が高い。攻撃を当てられたらどうなるかはわからないが。


それに狭い路地裏でそんな行動をとったら。


「一直線になるだろ」


オークが向かってくる方にグングニールを突き出す。そのまま三体の腹に突き刺さり、パンと音が響いた。


オークの腹が爆ぜた、それだけである。


『レベルが上昇しました』


アナウンスが聞こえた。


一応、他のオークの首を落として倉庫に入れる。まただ、またアナウンスがなった。


俺はステータスを開いてみた。




____________________

カナクラヨウヘイ

種族レベル 7

ジョブ

HP 400

MP 400

攻撃 142

知力 142

防御 142

精神 142

俊敏 142

魅力 500

幸運 500

スキル 身体強化7、経験値増加10、ポイント増加10、異次元流通4、異次元倉庫4、槍術1

魔法 刻印10、火5、水5

ポイント 1200

ログ

オークLV1を撃破しました。

レベルが上昇しました。

オークLV1を撃破しました。

オークLV1を撃破しました。

レベルが上昇しました。

(以下省略)

____________________




レベルが六も上がっている。


これは多分、経験値増加のおかげでもあるのだろう。


ただステータスの伸びが微妙だな。


レベルが10以上になればジョブにつけるはずだから、それまで我慢するしかないか。


今のところオーク相手ならグングニールで一撃だ。武器のゴリ押しだから、あまりいいことではないが……それでも負けるよりはマシだ。


まぁ、もしもの為に普通の武器を持つのはアリか?


異次元流通で何とかなるかもしれないし。


そう思ってステータスの異次元流通をタップしてみた。ステータス欄が入れ替わり、色々な商品の名前に変わる。その中にはスキルの欄もあるようで、簡易的な説明を見ることができた。


金額の欄は俺の財布の手持ちみたいだな。ということは買い物は円で大丈夫なようだ。


壊れた世界ならお金を必要とするものは少ないだろう。


コンビニから奪うか。後は助けた報酬として貰うのも悪くないな。使えないものを自分の命の代わりに出来るんだから喜んでくれるだろう。


金額の欄を見る限りでは心もとない。だって四千円しか所持していないのだから。


こんなことならもっとお金貯めておけばよかったな。いや、よく考えろ。


売却、か。


異次元倉庫と連動しているみたいだな。倉庫の中の物を売れる。


ちょっと待てよ。物を売れるのか。


試しにオークの遺体を売却の所まで引っ張ってみる。成功した、一万円増えている。


命をかけてオークを倒しても一万円か。安いのか高いのかわからないな。


そこらにもオークはいるからということで、オークの遺体は全て売却した。十万四千円だ、それ以内で物を買わないと。


まずは武器だな、あまり強そうに見えない、そんな武器。


鋼の剣でいいだろ。次いでスキルとかも買えるようだけど、パスしよう。そこまで余裕はない。


やるならどこかでお金を調達してからだ。


カートのマークに鋼の剣を引っ張ったら、値段が出てきた。七万円か、必要経費だと思って割り切ろう。


食料系は後からでも買えることはわかったし。精算のボタンを押した。


「うっお」


目の前にダンボールが一つ降ってきた。某宅配会社のロゴみたいなのが書いてある。


中を静かに開けると、確かに鋼の剣が入っていた。鞘も入ってるなんてサービスいいな。


ベルトに取り付ける型の鞘のようで、ベルトも付いてきていた。それを腹に巻いてから鋼の剣を腰に付ける。


うん、見違えたのではないだろうか。自画自賛でしかないのだが。


グングニールはしまっておこう。


ここに用はないし出るか。


その場を後にして、また中学に向かい出した。後の三体は……誰かがなんとかしてくれるだろう。


にしてもオークの数が多いな。よくあるゴブリンとかコボルトとかはいないみたいだ。


いやいるのか? 見てないだけで。


そんな考えは置いておいて、オークは全て逃げて対処した。いちいち相手をしていられないし、逃げてるだけなら他の人に何かを言われることもない。誰かが襲われていたわけでもないからな。


それにスキルの使い方がわかった今、一番にならなければいけないことは妹と会うこと。


もう変な男に騙されてしまって、と起こるわけがないことを言ってみた。


重度のブラコンとシスコンが、他の人に目をくれるだろうか。……命を助けてくれたら、話は別かもな。


俺は足をよりいっそう早めた。

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