序章2話 キャラメイク
まずは獲得できるスキルを確認してみた。
多いのに越したことはない、が、色々と羅列していて正直見づらい。品揃えが多いのは結構なことだけど検索とかも文字を打つのが面倒だし、慣れるまでは少しだけ苦戦しそうだ。何を買うか……今更だけど、今、見えているこれらが本当だとして外へ出た時に槍を持っているから銃刀法違反、とかにはならないだろうかって思えてきた。
……すごく怖くなってきたな。
そうなったら……暴れるか。それはそれで良さそうだ。まぁ、さすがにそんなことはしないが駄目そうなら……何かしら手はあるだろう。例えば魔法とかを取って見せるとかな。だから、心配する理由は無いか。
うーん、まずは必要そうなスキルを考えてみるか。
ステータスを上昇させるスキル、経験値を増やすスキル、ポイントを増やすスキル、物資を獲得できるスキル、物を収納できるスキル。
まずはこれが最低条件だろう。
レベルが上がりやすいうちにレベルアップによるステータス増加補正を取っておくのは絶対だし、スキルを買うためにもポイント関係はいる。他の三つはあれば必ず役立つから取れるなら……って感じだな。
戦闘はグングニールでなんとかなるだろう。それに物資の中には武器も得られるかもしれない。
銃が欲しい、遠距離でスナイパーとかかっこいいしな。
とりあえず時間はかかったが関連したスキルは見つけられた。
身体強化、経験値増加、ポイント増加、異次元流通、異次元倉庫だな。
ポイント系のスキルは(洋平専用)と書かれてるし。こういう特別扱いは嫌いじゃない。
これでポイントの半分を使った。
どれも便利で応用が利く分だけ他のものより割高だったな。下手をすれば武器よりも高い。それだけの価値があることに期待しよう。
……さすがにキャラメイクが終わればスキルを手に入れられないとかは無いよな……?
いや、それはないだろう、ポイントってなってる時点で買えるだろうし、キャラメイクの時しか使えないものだったら補正効果のあるスキルがあるのはおかしいからな。最悪、異次元流通でなんとかすればいいか。
スキルは……他に槍術とかは必要だな。グングニールを使えなくなったら困るし。どういった効果があるのかは不明だが……トーシロの今よりは楽になると信じて買おう。
後は刻印魔法と火魔法、水魔法か。
説明欄を見る限り刻印魔法は刻印を物に入れて、使用者を制限させることができるようだ。絶対に必要になるだろう。盗っ人がいないとは言い切れない世界になるかもしれないからな。
火と水は生きるのに必要不可欠だ。相手にぶつけて撃破、なんてこともできるだろうしな。それに最悪は超能力として稼ぐ手段になる。
うん、獲得できた。ただ全部レベル1か。
スキルのレベルは……10が最高、必要なポイントはそのスキルレベルの数値分か。
要はあれか。1から2に上げるにはポイントを2使用する。2から3なら3ポイントというわけか。
わかりやすくていいな。つまりは最高まであげるには54。そこまでポイントを必要としない。
ポイントが俺専用ということは、ポイント以外でのスキルレベル上げもあるはずだ。今は9くらいあればいいだろう。
残ったポイントを全部利用して経験値増加とポイント増加は10まで上げた。
他は在り来りなスキルだが使えるはずだ。
身体強化を7まで上げて止めておく。異次元流通と異次元倉庫は4だ。
刻印魔法は10まで上げた。火と水は5で止めて、と。
残ったポイント172を割り振って幸運に当ててみる。できるみたいだ、1ポイントで5上がる。
幸運が500になった所で上がらなくなった。魅了も同じだ。
多分この二つは最初のキャラメイクの時にしか上昇できないはず。ゲームならそうなるはずだ。
12ポイントは残しておく。5上がるなら後からでもいいはずだ。
完成したステータスをダブルタップした。
少し体が光り収束していく。
先と同じ要領でダブルタップしてみた。やっぱり魅了と幸運はいじれない。
そこをすぐに閉じる。特にやることもないから。
体の変化はなさそうだな。
「ファイアーボール」
出るわけないと思いながらやってみたが、どっこい目の前に一つの火の玉ができた。
嘘ではないみたいだな。
すぐに散らせるイメージをして消し去る。
寝巻きのままだ。流石に着替えないとな。
今日は記念日になるかもしれない。久しぶりに外に出た&世界が壊れる記念日。
まだ確定ではないが。
ササッとジャージに着替えグングニールを持ちながら外に出た。
居間にはウザったい親はいないようだ。いや母はどうせ仕事と偽って不倫だろうけど。
外は無音だった。一応鍵をかけはしたが戻ってくるのだろうか。
まあ、いい。武器が悪目立ちしないか不安だが、妹の所へ向かおう。
そんな時だった。
一つの爆音が聞こえた。俺の目の前で、だ。
マンションの窓からは何も見えない。
俺は急いでマンションから出た。
「きゃあああ」
「うあああ」
そんな阿鼻叫喚とした中、俺は笑ってしまった。
ゲームのような世界。そしてチートを持つ俺。性格がひん曲がっていようと、強いのには変わらない。
こんな世界を待っていたんだ。退屈な誰かに虐げられる世界じゃなくて……俺が虐げる側の世界。
一体のオークが俺の目の前に来た。
俺を見て餌を見るように視線で舐めまわしてきたが、それも今はどうでもいい。
オークが向かってきてる。
でもこれで死ぬんだ。たった横薙ぎのグングニールで。知っているさ、アイツもそうだった。
腹と胴体を真っ二つに切られそいつは死んだ。
『レベルが上昇しました』
あの時のアナウンスが流れた。ファンファーレはないみたいだな。
一応、触れて異次元倉庫にそいつを入れておく。オーク肉が美味しいとかってラノベではよくあるからな。最悪は売れるだろう。
戦っているところを見た人はいないな。そっちの方がありがたくて嬉しいんだが。
うん、いないようだ。
俺は安心してグングニールを片手に中学に向かった。
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