底辺ニートの人生やり直し計画〜現実世界がおかしくなってしまったので大切な妹達と生き残りたいと思います〜

序章1話 始まりは突然に

暗闇の中、明かりは使い慣れたノートパソコン一つのみ。もう目は慣れた、一年や二年はこの生活なのだから慣れないはずがない。

暇潰しの配信者の動画、他に見たいものも今は無い。やりたいことは長い休みの中で殆ど終えた。小さくため息をつく、と同時に携帯がピンと鳴った。

……メールが届いていた。

なんてことはない、普通のメールだ。

『今日も学校に来ないの？』

そんな友人を語る人からのメール。

本当につまらない。

あいつらのせいで学校にも行けないと言うのに。

まあ気付けるわけがないよな。影で行われてたし表沙汰になるわけがないんだから。このメールを送ってきたヤツも同罪だ。関わらないでほしいものだよ。

はぁ、つまんな。

パソコンのインターネットゲームを開く。動画は配信者の人が負けまくって気持ちよくなれないから止めだ。

「おはよう」

パーティメンバーからの挨拶。

この人達には気を遣わなくていいから楽でいい。顔も姿形も知らないからな。いちいち小馬鹿にしてくる人もいないし……気分がとても楽になる。

ここだけが俺のオアシスとなっていることは、確かにダメだとは思っているが……もう少しだけこんな堕落した生活を続けていたい、そんな甘い考えに落ち着いてしまう。

携帯の指紋認証から電源を付け、履歴欄をもう一度確認する。

『楽に死ねる方法』

『気持ちを楽にする言葉』

生きたいのか死にたいのか、よくわからない履歴が続いていた。

楽に死ねる方法で検索をかけたって、変な宗教のありがたいお言葉にぶつかるだけだ。本当に知りたいことを知ることができない。……萎えた、携帯を投げ捨ててパソコンに向き直す。

またメールが届いた。

そのまま開いてみる。

｢なになに、貴方は選ばれました。もし世界がデスゲームに変わるとするなら、あなたは生き残りたいですか？｣

俺はふっと嘲笑の意味を込めて息を吐いた。

なんだこれは。馬鹿にするのも大概にしてほしい。

どこぞのライトノベルや小説サイトじゃないんだから、そんなことが起こるわけがないだろう。

馬鹿にする気持ちを込めて『俺が楽しめるのなら』と送った。

どうせ冷やかしや詐欺メールだ。

色々やって学生です、でやり過ごそう。

短い命だ、最悪は情報を取られても俺には関係が無いしな。

楽しめる相手ならいい、暇潰しが出来ればそれで。

すぐに返信が来た。

｢……当然です、か｣

今日はコイツで遊ぶことにしよう。返信も早いからいい様にコケにしてやろう。

俺は『それなら是非』と返信した。

すぐに返ってきた。

メールじゃない、頭の中に語りかけるようなアナウンスが。

『チュートリアルを開始します』

そんな声が響いた。

周りの景色が変わる。俺の部屋じゃないな。

これ、本当に詐欺か？

今更すぎる気がするが。

不意に目の前にtouchのマークが現れた。

よくわからないので前方をタッチしてみる。

なんか色々と名前が並んでいる。

うん？ 武器が選べるのか。

特典として良い武器を一つのみ、か。

剣や弓、銃は何かもあるのか。

この中なら……槍かな、一応近中で戦える武器の方がやりやすい。銃や弓も良かったが弾切れが恐ろしいから止めとく。近接の剣は以ての外だ。

例え死んでもいい、死んだとしても悲しむのは妹くらいだ。なんでこんなに落ちこぼれの兄を愛しているのだか。

昨日だって二人分のスタバのコーヒーを買ってきてくれたしな。

本当に可愛い。もし本当にデスゲームになるのなら、俺は絶対に妹を守るために、強くなる。どうせ一度は捨てた身だ。最後くらいは派手にやってやろう。

『個体名、金倉洋平対オークの対決を始めます』

目の前に大きな二足歩行の鼻息の荒い豚が現れた。

見るだけで吐き気がしそうだ。嫌悪感が酷い。

俺の手にあるのは魔槍グングニール。

厨二心をくすぐられる真っ黒の槍だ。

うん、やってみよう。

俺は駆けた。

オークも向かってきたが、その大きな体躯のせいでとても遅い。ちょっとだけ太ったとは言え、ある程度は運動が出来た俺にはどうってことは無い速度だ。日頃、少しだが筋トレをしていてよかったと今更ながら思う。

グングニールを突き刺す。……瞬間、突き刺した場所が爆ぜた。

なるほどな……武器自体がチートってことか。

それなら銃とかの方が楽だったか？

いや、こっちの方が妹と会う時にかっこいいだろ。

切れたオークが俺の体を締め付けようと、抱きついてきた。

これでわかった。

オークは頭が悪い。だってグングニールを構えているのに抱きついてきた。普通に腹に突き刺さってますけど。

うわっ、爆ぜたし。ってかオーク死んだ。

『金倉洋平の勝利を確認しました』

『特典を与え元の場所へ戻します』

そんな声とともに元の俺の部屋に戻された。

目の前に並ぶゲームのようなステータスを残していた。

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カナクラヨウヘイ

種族レベル1

ジョブ

HP 100

MP 100

攻撃 100

知力 100

防御 100

精神 100

俊敏 100

魅力 100

幸運 100

スキル

ポイント 19873

ログ 表示する

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大きく未設定と書かれているな。

未設定だから初期値のステータスのまま、そんな感じかな。

ゲームでよくあるキャラクターメイキングなのだろうか。

じゃあ見た目も変えられるのか？

妹は可愛いのに不細工な兄って。いっそ顔を全て変えようか。少し筋肉質な体は変えなくていいだろうし。

いや妹に嫌われそうだな、やめておこう。

元の顔が好きだって言われそうだからな。

それ以外で強くしていこう。

ん？ ログか。

表示するってことはオークを倒したことも出てくるのかな。

当たりだ。オークの撃破が書かれている。

経験値を捨てて自由にスキルを獲得できるようになったのか。……面白いな、貰えるポイント量もかなりのものだ。チュートリアルだけあって一万ほど貰えたらしい。

確かにステータスはレベルを上げればどうとでもなるから、どちらかと言えば強いスキルを手に入れられる方が格段と良い。まずは……補正するなにかが必要なんだろうな。それがあればステータスが低くてもレベル上げでなんとかなるだろう。

一応、ステータスをタップしたら説明も書かれていた。

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ジョブ→レベル10以上から付けるようになる。そのジョブによってステータスへの補正がかかる。

HP→0になった時にその者は死ぬ。高ければ高いほど疲れにくくなる。

MP→0になった時にその者は倒れる。高ければ高いほど頭痛等に強くなる。

攻撃→物理的な攻撃のダメージを増やす。

知力→魔法的な攻撃のダメージを増やす。

防御→物理的な攻撃のダメージを減らす。

精神→魔法的な攻撃のダメージを減らす。

俊敏→行動する時の速度を早くする。

魅力→異性や同性からの好感度を上げる。ただし同性には聞かない時もある。、

幸運→色々なものに補正をかける。運が良くなる。

スキル→魔法などの非現実的な効果をもたらす。またはそれを使用できるようにさせる。

ポイント→ステータスをより良質にすることができる。金倉洋平専用の欄。行うにはポイントの欄をダブルタップしなくてはいけない。

ログ→今までの行動や履歴を見ることができる。

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言葉通りであったが、だからこそ嬉しい。

俺はポイントをダブルタップしてキャラメイクを開始した。

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初めまして！ 張田ハリルと申します！

読んで頂き誠にありがとうございます！ 自分自身が読んでいて面白いと思える作品をモットーに書いていますが月一程度の不定期な投稿をしています！

好物は高評価や登録等です！ 書こうという意欲に繋がりますし、もしかすれば投稿頻度が早くなるかもしれません！ もちろん、感想や要望などもお待ちしておりますので、もし何かあれば送って頂けるととても嬉しいです！

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