魔女のメルヘン

 「世界の終焉の話をしよう」

 女が二人、テーブルに着いて茶を飲んでいる。季節外れに暑い今日は、レモンティー。菓子はパステルカラーのマカロン。高級菓子に当たるそれを、無造作に口に放り込んで白い少女は笑った。

 「まずは終わりの始まりから。これは君たちも知っている通りだ。……空に、アレが現れた」

 ほうき星。それまで全く観測されていなかったそれが最初に現れた時、ほとんど家に篭りきりの自分にも、ニュースとして情報が雪崩のように入ってきた。最終的に、その異物は正真正銘の怪奇現象であると結論付けられる。しかし、その時には既に……

 「学者達が雁首揃えて、結局何もできなかった、その間に。彼らは……いや、ここはあえて我々と言ってみようか」

 我々、と言いなおす時にはっきりと嘲笑を浮かべるあたり、彼女の人嫌いはどうやらここに極まったらしい。

 「我々は神に見放された。いや逆か。神々は我々を愛し欲した。──自分たちのリソースとして、ね」

 「天の凶兆──災厄のほうき星。その真の名はグロース。こいつは先触れだ。彼は仲間を起こすために遣わされた。黒幕は……ま、名を出すのは無粋かな」

 「妖星は神格なかまを覚醒させる機能を持っている。だが奴らは寝坊助だ、流れ星程度でそうそう起き出しては来ない。うん、彼らも一応神様だからね。眠れる虎の尾は踏まないのが基本。しばらくは何もなかった」

 「だが……どっかの馬鹿が大掛かりな儀式を行ってヨグ=ソトトを呼び覚ました。まあ、トップバッターとしては中々いい線行ってるんじゃない? 事もあろうに、その真体は万全を持ってこの地上にあらわれた。そしてアメリカ大陸はあのザマになった」

 少女はそこまで一息に喋ると、カップに唇をつけた。マカロンを頬張る。

 「おい、お藤ちゃん……起きてる?」

 そして、向かいに座った、長い黒髪に着物姿の女に不服そうに声をかけた。女は、半分閉じた瞼を押し上げるようにゆっくりと開いた。

 「──はい、起きてますよミソラちゃん。黒髪男前受けは最高ですね」

 「ダメじゃん! あとオレはちょっと枯れたのが元気有り余る若いのに組み敷かれていいようにされるのが性癖(誤用)なの! そこんとこ理解わかって!?」

 …………。耳が腐りそうな会話にそっとこめかみを押さえる。彼女たちの話は脱線が多い。

 「まあまあ、お互い何も原稿を抱えてないのにいがみ合うのはやめましょうよ。どうせ非常事態宣言でイベントはおろか新規供給さえマトモにないんですから。せめてヨーロッパが氷漬けになってなければフランスの同志たちと手を取り合うことも出来たのに……ちょっぴりルリム様を恨んでしまいますわ」

 複数の国家が滅亡したことについて、藤色の着物の女──猫屋敷藤は、涼しい顔で語る。思うに、この女には他者への愛というものがいささか欠けているのではないだろうか。……まあ、その欠如もその会話相手──白い怪物に比べれば、十分人間的な可愛らしさと言えなくも、ないのだろう。

 「おや……? ふふ、ウォルちゃんがなんだかオレに熱い視線を注いでいる気がするけれど? まあいいや。お藤ちゃん、しっかり聞いているじゃない」

 ええ、とお藤は微笑んだ。

 「何か難しいお話をされていた感じがしたので、きっと『現状』のお話かしら、と。結局、ルルイエは浮上しましたの?」

 ミソラ──この屋敷、『波の穂邸』の主人にして、恐るべき狩人たる少女──は、ようやく覚醒したオーディエンスに満足し、再び話し始める。

 「ああ、したとも。ばっちり浮いてた。すごいねアレは。まだ日本が飢えてないのはきっと彼らのおかげだね。ざっくりした調査だけでも、領海内の水産資源は少なくとも『異変』前の4倍は下らない。マーシュ家が栄える訳だ」

 「イギリスは周囲を氷に閉ざされた後、どうやら楽園化したらしい……人がいるかは謎。一体何と契約したやら……。ロシアは吹雪が酷い。イタクァっていうのは中々手強いな。そのうち欧州のイイーキルスと戦争になるぞ。インドは極悪ガネーシャに支配されたかと思いきや、かなりまともに人間が生きてる。彼ら、抵抗する手段をしっかり確立してたみたいだ」

 「メキシコはつよい。オレは詳しい。ハワイは深きヒトたちしか見なかったなあ……で、この前上海シャンハイに行ったのだけれど、あれはもう駄目だ。よくわからんカルトが跋扈している。アレを見た後だと、我らが東京が可愛く見えるね」

 そう。世界はもはや、人間が生きていくのに適さなくなった。『始まり』のほうき星から、早30年。人間は半分以下に減り、地上には目覚めた混沌と恐怖が撒かれた。

 神格たちは圧倒的だった。あっという間に国は滅び、分断され……どういうわけか、この日本列島は比較的安全地帯として、未だ都市がその機能を残し、人々が生活できている。

 その原因については、霊脈が活発だからとか、海流のせいだとか、この国は神に守られているだとか……つまるところ、誰も真剣に解き明かそうとはしていない。

 人間は、どうしようもなく諦めてしまった。まさに漫画の世紀末じみて混乱した世界に、変わり果ててしまった星の姿に、絶望してしまった。今生きている人々は、結局惰性で生きているだけなのだと……そう、思う。比較的被害の少ない国内でもそう感じられるのだから、ミソラの訪れた国々は、きっと、もっと酷いのだろう。

 「そう悲観することでもないよ。存外生命ってしぶといからさ、新しい可能性が生まれたって考えればいいんじゃない?まだ人間が滅ぶと決まったわけではないし。他の種族と混ざり合いながら、現人類よりもっと平和で幸せな世界を築いて行くかもしれないじゃないか」

 結い上げた長い銀髪を揺らして、屋敷の主人は私を見上げた。黒髪を流した藤色は、パステルカラーの菓子を口に放り込んだ。仕方なく口を開く。

 「もう既にそういう集落はあるらしい。穏健派が集まって、種族混淆の共同体を築いたんだそうだ。今のところはうまくやっているようだぞ」

 「今のところは、ね」

 ミソラは唇を歪めた。

 「お前が話を振ったんだろうが……」

 「皮肉だよ皮肉。人外にあんまり夢を見るな。そんなにコトが上手くゆくのなら、あの南極探査で可哀想な旧人類が死にまくったりしなかった。そもそも人類という言葉はね、種族を指しているんじゃない。これはレガリアだ。地球とかいう稀に見る優良物件でこんな大勢で椅子取りゲームをしたんじゃあ──」

 「イス取りゲーム」

 「──ウォル、お藤ちゃんの座布団没収。とにかく、これは生存競争だよ。誰もがこの星で快適に生きるのは無理だ。新人類の王座に着けるのはせいぜい1種族だけだし、占有したらしたでどうせ内輪揉めが始まるんだから。全く、命ってどうしようもなく出来ているよな」

 ふう、と息をついて、白い死神はレモンティーをすすった。明るいまま、笑顔のままで諦観を露わにする少女の姿の怪物は、一体何を見てきたのだろう。一体何を知っていると言うのだろう。

 ミソラのことが苦手、というのには、少し語弊がある。より正しくは、怖い、だ。

 得体の知れない生き物が怖い。自分の知らない……知りたくもないことを知っている相手が、気持ち悪い。さんざん外法に手を染め、かお無き者に接触すらした自分が、この少女に酷く怯えている。

 違うのだ。

 ソラより来たる外側の恐怖が理解し難いモノであるのはわかる。しかし、この銀髪碧眼の少女が孕む狂気はソレらとは全く異なるベクトルのものだ。

 孕んでいる狂気の質が違う。纏っている恐怖の質が違う。邪神と彼女では、何かが本質的に異なっている。

 だが、一体何が異なっているのか、結局自分にはわからないままだった。

 「おや、またなんかメンドくさいコト考えてるねぇ」

 チョコレート色を噛み砕いた怪物が笑う。

 「んー、キミの悩みはキミの悩みで良いんだけどね、いざって時に躊躇されると困るから情報は出しとこうか」

 お藤の眉がピクリと動いた。

 「前提としてね。古代地球を訪れたモノは大いなるク・リトルリトルに代表される邪神だけじゃないってコトだよ。無論彼らの影響は大きく、現に今だって連中のおかげで大変なコトになってるわけだけど」

 「宇宙の外側から飛来したもの。全世界で根強く目撃され、夢想され、信仰されているモノ。

──天使、と言うのを聞いたことくらいはあるだろう?」

 全く予期していなかった単語に、思わず声を上げる。

 「アレは人間が築き上げた幻想だ。歴史の浅い幻に過ぎない。実在する邪神に並ぶことなど──」

 「できるとも。だって実在するからね」

 少女は、何でもない事のように断言した。まるで、それが世界の常識であるとでも言うように、天の存在を口にした。

 「天の神も天使も、人間の妄想じゃない。れっきとした口伝だ。古のものは家畜を生産しただろう。不浄のアブホースよりまろび出たモノもあっただろう。それと同じくらい確かに、天はヒトを創りたもうた」

 「だがもう人間のルーツを正確に知る術はない。造物主ですら持ち得ない。あらゆる異なる根源をもつ生命は、長い時間の中で混ざり過ぎた。現在の系統樹は完全には間違いじゃない。が、それ以前の欠落が激しい、不完全なものだ。……そうだな、シンプルに言おうか。我々は皆アザトホートの萌芽であり、ショゴスの末裔であり、神の子である」

 怪物は、いっそ厳かに宣告した。

 喉が震えて空気を押し出すのを、他人事のように感じた。

 「それは……それはおかしい、どうしてそんなことが言える、何故断言できる! お前は、お前が何を知っている! 邪神は……人間が勝手に呼称しただけのもので……悪魔に対立する概念など……!」

 音も無く背後に回ったお藤が胴に腕を回してきた。お藤に咎められるより早く、ミソラは再び口を開いた。

 「神というのは理不尽なものだ。運命だの天命だの、見ているコトしか出来ない癖によく言う。だけどね、見ているだけというのは非常に強力なんだ。何しろ、地上のありとあらゆる事象を観測し、記録し、保存している。アカシックレコードというのは実に良く神の本質を表している」

 「質問に答えろ! 神のことなど聞いていない! お前が何を以って世界の成り立ちを断言できるのかを……」

 「見てたからだよ」

 素っ気ない声。

 激昂していた精神に、冷や水を浴びせられた気分。

 「といっても、まあ、『私』そのものが世界の成立を観測したかというと、ちょっと語弊があるけどね」

 お藤に背後から抱きつかれた格好のままで、ゆっくりと体を引っ張られる。お藤は椅子に座り、捕まえた軽い体を膝の上に抱き上げていた。

 「オレの構成材料の一つに、昔バカな神様に作られた天使が混じっているってだけだよ。……そんなコトより、さあ」

 す、とミソラの目がすがめられた。

 「ウォルター・コービット。冷酷な魔導士である君ともあろう者が、領域外の生命の存在程度でそうまで揺らぐとは一体どういうことだい?」

 自分の鼓動が早くなるのを、どこか他人事のように聞いていた。

 「数多の禁忌に手を染めて生き長らえ、亡霊と成ってなお無垢な少女の魂を喰らい尽くしてまで魂を繋いだその執念、そしてそうまでして世界の神秘を追求する探究心こそ私が君を雇った理由なんだがね」

 銀の髪の少女は、首を傾げて目の前に在るソレを見つめた。

 黒い髪の、十代前半程度に見える少女の形をした生き物を。

 「君、一体誰だい?」

 「……ぁ…………」

 喉から、酷く掠れた細い声が漏れた。少女らしい、か細い可憐な声。

 確かに、これは自分の声ではない。これは自分の身体ではない。この肉体は、復讐の為に奪い取ったモノだ。すっかり馴染んで、忘れていた。

 忘れていた。かつての自分が、どんな声で、どんな姿でそこに在ったのか。

 かつての自分がどんな顔をしていたのか、忘れていた。

 じわり、と。恐怖が脳髄に染み込んだ。呼吸の間隔が狭くなる。

 相変わらず、緑色の目は私を見据えている。

 ──と。思考がゆっくりと暗転しかけた時、暖かい掌に頭を撫でられた。指の付け根に硬い剣ダコのある、白い大きな手。

 「お藤……?」

 「ミソラちゃん」

 私の体をぬいぐるみの様に抱き締め、頭を撫でながら長身の女剣士はゆったりと言った。

 「いくら小さい女の子がかわいいからって、あんまり虐めちゃダメですよ」

 「お藤ちゃん、これはいたいけな少女の姿をしただけの、200年は生きた魔導士だぜ。見た目に惑わされちゃ……」

 お藤は小首を傾げ、ミソラの話を遮った。

 「そんなにピリピリしてしまって……もしかして生理です?」

 「……お藤ィ!」

 目の前で盛大にズッコケるミソラに、私は目を丸くした。

 お藤はころころと笑った。

 「ねえ、見た目ってそんなに大事かしら? 人と話すのも億劫になるくらい醜いならともかく、可愛い分にはなんにも問題は無いでしょう? ウォルちゃんだって、干からびたミイラみたいなご老人の姿より今のJC姿の方がよほど素敵でしてよ」

 ……なんて、傍若無人。思わず力の抜けた私と、ミソラのため息が重なった。

 ああ。このおんなは、本当にどうでもいいのだ。私の姿がどうであろうと、私の本性がなんであろうと一切自分には関係ないと考えている。そして、事実そうなのだ。

 たとえ、かつての私と相対したとして……彼女は何も動じることはないのだろう。関係ないから無視するか、障害となるなら切り捨てるかの二択しかないのだ。

 眉間を抑えていたミソラが、ようやく言葉を見つけて口を開いた。

 「ああ、もう。……何言おうとしてたか忘れちまった。要はさ、あんまりガワに引っ張られるんじゃねえぞってコトだよ」

 ミソラは放り投げる様に言った。

 「キミが女の死体に取り憑いていようが、昔何人殺していようが別にオレはどうだっていい。オレは正義の味方じゃないし、他人の生き方にどうこう意見する趣味はない。ただし、自分が一体何を選びたいかは把握しておくべきだ。いざ選び取る段になって、決めていなかったせいで迷って、せっかくの機会をふいにしてしまうのは余りにももったいない。正義か悪かなんて決める必要はないから、自分が何の味方をするか、ちゃんと答えを出しておきたまえ」

 いつも通りの、さっぱりわからない言い回しの中になぜか混じった切実さに気圧されて、勢いで頷いてしまう。そんな私たちを見て、お藤がまた笑った。

 「ミソラちゃんて構いたがりの癖に人との距離感メチャクチャだから、すぐこういうめんどくさい言い方するんですよねぇ」

 「なんだと!」

 「結局ウォルちゃんが心配だったんじゃないですか。そもそもウォルちゃんをお屋敷で面倒見ようって言い出したの、ミソラちゃんじゃない。なんだかんだ言ってウォルちゃんのこと気に入ってるんですよ、ミソラちゃんは」

 ……初耳だった。

 「それは……知らなかったな」

 なんとかそれだけ絞り出す。するとミソラは不機嫌そうにそっぽを向いた。

 「…………別に」

 今度こそ、お藤が爆笑し始めた。きゃらきゃらと頭上から降ってくる笑い声に脱力する。

 そういえば、そもそもこの場に来たのはレモンティーのお代わりと、追加の茶菓子を運んで来たためだった。諸々を乗せたワゴンに目をやると、大柄な真っ黒い人影が、ちょうどミソラに茶をサーブしているところだった。あら、とお藤が声を上げた。

 「ボタモチ、今までどこに行っていたの?」

 「テケリ・リ!」

 尻尾を揺らしながら鳴いた、爬虫類じみた人型はお藤にも茶を注ぎ、さらに追加でもう一つカップを用意した。

 「ちょいと情報収集に出てもらっていてね。どうやら最近、『黒い男』氏がこのあたりに来ているらしい。今回のお茶会は対策会議も兼ねていたんだ、思わぬ脱線はしたがね」

 「まあ。それじゃあ、仕切り直してお茶会の続きと致しましょう。ウォルちゃんのお茶もありますし、さあ!」

 さあ、と言われても。戸惑う間に、一つだけ空いていた椅子に漆黒の影がさっさと座ってしまう。ボタモチ、お前は小さいサイズにもなれるだろうに。

 「テケリリ〜」

 「まあ!仕方ないからウォルちゃんはこのままですわ!」

 やたら鼻息の荒いお藤に、膝の上にガッチリ拘束される。半ばヤケクソになって、目の前のレモンティーに手を伸ばす。

 やたら満足そうな顔のミソラと目が合った。

 「なんだ、ニヤニヤして……ちょっと気持ち悪い……」

 「ウォルちゃんは酷いなあ。ただ、そう──幸せなのは、きっと良いことだね」

 ミソラは淡く微笑んだ。

 「さて。こんな日々を続けるためにも──この世紀末の世界をどうするか、いよいよ本格的に考えないとだ」

 ミソラの言葉に、頷いた。

 今さら、世界が愛せるとは思わない。別に、赦しを乞いたい訳でもない。

 ただ、日がな一日屋敷に籠って、書物を読んで、魔導を磨き、必要があれば実験室で薬品を弄くり、仕方なしに諸々の雑用と家事をこなすだけの、只のメイドでいられるのはぞっとするほど心地が良いことだった。

 名を変えることはなく、過去を忘れることもなく、しかし以前のように闇雲にこの世の神秘を追い求めることもしない、酷く中途半端な在り方を続けている。

 この屋敷が、その『私』を許容する限り、私は自分の人生をやり過ごしていられる。

 「仕方ない……私の知識も少しは役に立つだろう。ところで、この屋敷の結界に関して提言があるのだが……」

 すぐそこまで迫り来る破滅の足音を余所に、箱庭のティーパーティーは続く。


 願わくば、この日々がずっと続けば良いと。

 性懲りも無く、また私は永遠に手を伸ばす。

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