それぞれの決断
第167話 大成、ゴッドマザーの手に持ったコップを射抜く
そこまで言うとゴッドマザーは再び席に戻って座ったが、「はーーーーーー」と今度はかなり長いため息をついた。
「・・・じゃが、そうも言ってられぬ事態が起きたのじゃよ。簡単に言えば『政界のドン』
「・・・どうしてお父さんなんですか?」
「・・・青葉さんも華苗穂も知らないとは思うが、政界では『小幌
「それって、本当なんですか!?」
青葉が大声で叫んでしまったし、広内金先輩も「それって本当?」と言って口をあんぐりを開けている。
「ああ、本当だよ。今の政治状況だと、恐らく今年の秋に衆議院は解散されて総選挙が行われる。蘭越は衆議院に鞍替えしたいようじゃけど、周麿自身は長女の婿で公設秘書の
それだけ言うとゴッドマザーは右手で傍らにあったコップに手を伸ばした。長々と喋っていたから喉が渇いたのだろう。
“ガッシャーン”
いきなり音がしたから青葉と広内金先輩が音のした方を振り向いたが、ゴッドマザーが手に取った筈のコップが床に落ちて割れた音だ。しかも俺の右手が真っ直ぐ差し出されている。
「た、
青葉は俺の手元にあったナイフを俺が投げ付けた事に気付いて、恐る恐るといった表情で俺に話し掛けたが、俺の視線は青葉ではなくゴッドマザーに向けられたままだ。
「青葉!さっきまでこの婆さんが言っていた事の殆どは事実だが、1つだけ嘘を言っている場所がある!!」
「「嘘を言ってる場所?」」
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