第168話 大成、ゴッドマザーとの勝負に勝つ
「
ゴッドマザーは平然と言ってるが、俺には分かる、ゴッドマザーの心拍数が上がっている事に・・・
「・・・正直に言うけど、俺は今から20日程前、シレトコ・シャリさんからDVDと写真が青葉宛に届いた時、その筆跡が親父の物だという事に気付いた」
「「「!!!!! (・・! 」」」
「だから、俺は
「「「・・・・・」」」
「なのに、さっきあんたは『
「「「・・・・・」」」
「しかも、『政界のドン』は娘婿を後継者に指名するつもりでいたのだろ?だとしたら青葉を後継者にすると言った話と矛盾する。という事は、広内金家の血を持つ青葉を『政界のドン』の後継者に仕立て上げれば自分のたちの意のままに操れると考えた人間が意図的に情報をリークし、その連中が『政界のドン』にボソッと『青葉を後継者に指名しろ』とでも言ったんだろうな。『政界のドン』も隠し子のさらに隠し子の存在がバレたから、やむを得ずといった感じで『北のホテル王』やあんたに話を持ちかけたんだろうけど、この話の裏にいる中心人物として一番怪しいのは『広内金家のゴッドマザー』、あんたしか考えられない!」
俺は相変わらずゴッドマザーから視線を切らしてないけど、ゴッドマザーもずっと俺の視線を平然と受け止めたままだ。しかも肩が揺れたりとか瞬きの回数が増えてる訳でもなく、見た目は動揺しているように見えない。
そのゴッドマザーが「はーーー・・・」と少し長めのため息をしてから、半ば呆れるような感じで両手を軽く広げ肩を窄ませて俺を見たが、その表情はどちらかと言えば嘲笑している顔だ。
「・・・たしかにスジが通ってるのは婆やも認めるぞ。では、逆に大成君に質問だ。その証拠はあるのか?」
「・・・物的証拠、関係者の証言はない」
「なら、シロではなくグレーなのは婆や自身も認めるけど、婆や自身はクロではないという事でいいかな?」
「いんや、グレーではなくクロだ。それも真っ黒だ!」
「!!!!! (・・! 」
「もちろん、婆さんも分かってるだろうけど、さっきまでの話は俺の推測でしかない。だけど後付けで証拠があるのさ。さすがにあんたも年齢的に顔は皺だらけだから気付かないとでも思ってるのだろうけど、俺は最初から顔の表情や肩の揺れ、
「!!!!! (・・! 」
「あんたは俺が話している最中、顔は冷静のようでも心拍数が徐々に上がり続けてるよなあ。俺がナイフを投げつける前は50にもなってなかったのに、今は幾つになってるのかあな?90?いや、100を超えてると思うけど、血圧が上がり過ぎて脳の血管が破裂しても俺は責任を取れないとだけ言っておくぞ。それとも先に救急車を呼んでおこうか?119番が嫌なら俺が直接
広内金先輩と青葉は俺とゴッドマザーを交互に見ているのは分かるけど、俺はほとんど冷酷と言ってもいいような目でゴッドマザーを見ながら話してるから青葉たちの表情は伺えない。
やがてゴッドマザーは「はーー」と軽く息を吐いた。
「・・・やれやれ、
それだけ言うとゴッドマザーは肩を
「・・・負けを認めるのか?」
「ああ、たしかに婆やの負けだ」
「はーーー・・・さっきも言ったけど母さんに止められてなければグーであんたを2、3発殴りたい気分だけど、それはやめておくよ」
「そうしてくれ。全部正直に言うが、これは婆やと我が夫、それと総帥の三人で仕組んだ、あー、いや、正しくは
「「「はあ!?」」」
おいおい、広内気金家の三人はまだ分かるけど、『政界のドン』も絡んでるとはどういう事だあ?
「・・・簡単に言えば、本音では周麿は娘婿にも、評判の悪い自分の息子にも、二人の娘にも地盤を継がせたくなかったから、もう一人の息子の蓬栄さんを後継者にしたかったんじゃよ。自分は蓬栄さんが3年前に亡くなってるのを知っているけど、それを知らずに蓬栄さんを後継者にしたがっていた一派の話に乗るフリをして、周麿自身が青葉さんを自分の後継者にしたがってるのさ」
「「「マジですかあ!?」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます