神からの招待状
第147話 大成、相変わらず起きない青葉を嘆く
日曜日、俺と
楓と緑にとっては、土曜日はマイスドのドーナツを食べ損ねた挙句に俺の罰ゲーム(?)を尾行して無駄金を使わされたのだから、日曜日はそのうっ憤を晴らす(?)べくチョコレートキングダムに俺を連れて行く気満々だったから、俺が先手を打つ形で母さんに頭を下げ、我が家から一番近いコメヤ珈琲店に行ってモーニングとシノロワールを食べてきた訳だ。楓も緑もマイスドとケーキバイキングを食べられなかったのだが、今度はシノロワールを一人1個食べられたのだから、振り上げた拳を降ろしてくれた恰好になった。
ただ、さすがに
月曜日、俺は正直ヒヤヒヤしていた。土曜日に俺は
石狩さんの態度も先週と変わらなかった。唯一変わったといえば、石狩さんは俺の呼び方を「
そして今日は火曜日・・・
「おーい、青葉、朝だぞー」
「・・・・・(-_-)zzz」
「おーい、あーおーばーさーん、あーさーでーすーよー」
「・・・・・(-_-)zzz」
「青葉!起きろー!!」
「・・・・・(-_-)zzz」
はーーー・・・相変わらずではあるが起きてこない奴だ。しかも今日も「魔界の呪いのアイテム」をセットしてないし。一体、どういう神経をしてるんだあ!?
今朝はどうやって起こしてやろうか・・・よし、今日はこのやり方だあ!
俺はベッドの脇にあったティッシュを1枚抜き取ると、それを丸めて青葉の鼻に入れ、ゆっくりと回した。
お?お、お?青葉の表情が変わってきたぞお。
「ぶわーーーっくしょん!! 」
青葉は物凄いクシャミをしたかと思うと突然ガバッと起き上がった。おいおい、明らかにビックリして起き上がったというのが丸わかりだぞ。俺の方は面白くて仕方ないけどね。
青葉は俺を睨むようにしてベッドの脇に丸めてあったセーターを羽織った。不機嫌そうな顔を隠そうともしない。
「おー、起きたかー」
「たいせいー、頼むからこれだけは勘弁してよー。鼻が超ムズムズして気持ち悪いことこの上ないんだからさあ、ぷんぷーん!」
「そんな事は知らん。起きない奴が悪い!」
「そんなあ。まだ目覚ましが鳴ってないのに起こす方が悪い!」
「青葉、お前さあ、目覚ましをセットしてある時間から何分過ぎたのか知ってるのかあ?」
「えっ・・・」
そう言ったかと思ったら青葉は『魔界の呪いのアイテム』を見たけど、たしかに『魔界の呪いのアイテム』の時間は本来鳴るはずに時間を既に5分すぎている。青葉は顔を上げて壁にある時計も見たけど、こちらも電波時計だから『魔界の呪いのアイテム』と同じ時間を指している。
俺はニヤニヤしながら
「本当なら5分前に鳴ってるはずだよなあ」
「ち、違うよ!たった今電波が届いたから時間が10分進んだんだよ」
「はあ?」
「だーかーら、この部屋全体が魔界からの強力な瘴気のせいで電波を受ける事が出来なかったんだよ。だから時間が狂ってたから目覚ましが鳴らなかったから私は悪くないわ」
「そんな見え透いた嘘を言って目覚まし時計をセットしてなかった事を正当化するなあ!」
「正当化ではないよ、事実を述べているだけだよ。まさに『事実は小説より奇なり』の見本だよ」
「じゃあ、今から明日の朝に目覚まし時計が鳴るようにセットしておけよな。この家にある他の電波時計も俺のうちにある電波時計も明日の朝、この目覚まし時計がなる前に隣に並べて俺が確認してやるから、それで青葉が言った事が正しいかどうか証明してやる!」
「・・・たいせー、冗談を真に受けないでよー」
「お前の場合、あーだこーだ屁理屈を言って、これっぽちも反省しないんだから、たまには自分の言動に責任を持たせる意味でも時計が狂ってるかどうかを証明してやりたいものだ」
「だーかーら、ただ単に目覚まし時計をセットし忘れただけだから、明日こそちゃんと起きるわよー」
「はーー・・・・・目覚まし時計が鳴っても起きない奴に言われたくないぞ、ったくー」
「大丈夫大丈夫、この私を信用してよね」
「この時間の、この出来事に関しては青葉は信用できんから言い訳にしか聞こえないなあ」
「たいせー、機嫌直してよー」
「はーーー・・・・今日のところはこのくらいにしておくけど、明日こそちゃんと起きろよ」
「ぜーったいに大丈夫よ!だって目覚まし時計をたった今セットしたんだから、絶対に明日の朝はこの目覚まし時計が鳴った音でガバッと起きるからさあ」
「ホントかなあ」
「あー、その言い方は私を信用してないって事よねえ」
「この件に関しては青葉の信用度はゼロだからな」
「だいせー、明日こそ大丈夫だから」
「ホントだよな?」
「ホントだよ」
はーーーー・・・『絶対に明日は大丈夫』とか言って青葉が言葉通りに起きてきた試しがないからなあ。こりゃあ、間違いなくールデンウィークが終わってからも俺の仕事のままだよなあ・・・これでもメインヒロインかよ! (#^ω^)
「「行ってきまーす」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます