第135話 大成、再び罰ゲーム(?)でデートする⑪~お勧めメニューは?~
『いらっしゃいませー、宮島屋にようこそー』
俺と
「・・・へえ、あの先輩も結構いい店を知ってるんだねえ」
「
「なーるほど。その恵比島先輩のお勧めメニューは何なのか
「恵比島先輩がコーヒーには結構こだわってるという話を聞いた事がありますか?」
「いんや、あたしは初耳」
「家では絶対にインスタントコーヒーを飲まないと言ってましたからねー。結構コーヒーにうるさい恵比島先輩が褒めてたのが、宮島屋のスペシャルブレンドなんですよ」
「ナルホド・・・」
「休日のモーニングタイムの時に行く事が多かったそうですけど、その時は結構お得な値段でトーストセットを注文してたみたいですよ。ランチタイムの時はドリアとコーヒーだったみたいですけど、恵比島先輩の好みが石狩さんの好みに合うかどうかは分かりませんから、石狩さんの好みで選んでいいと思います」
「駒里くーん、メニューを見てもいいかなあ」
「あー、はい、いいですよー」
俺は自分の右手側にあったメニューを手に取って石狩さんに渡したけど、石狩さんはメニューを開きながらブツブツと独り言を言ってるようにも感じたけど、偉そうな事を思ってる割に俺はまだ何にするか決めてない。俺は石狩さんが開いているメニューを逆向きに見る形で一緒に見てたけど、自分なりに食べる物はアッサリ決まった。
俺が決めてからも石狩さんは考え込んでたけど、もしかして何にするのか迷ってるのかなあ。それとも母さんみたいに「あちこち目移りして逆に決められない」とかだったりして。でも、俺がそんな事を考えている時に石狩さんはちょっとだけ顔を上げて俺の方を見たけど、何となくだが苦笑いしているようにも見えない事もなかった。
「・・・あ、あたしは何にするか決めたけど、駒里君は?」
「俺も決めましたよ」
「・・・因みに、駒里君は何を注文する?」
「俺は『照り焼きチキントーストセット』。コーヒーは恵比島先輩お勧めのスペシャルブレンドですけど石狩さんは?」
「あたしは『季節のサンドイッチセット』。コーヒーは・・・アメリカン」
「あれ?スペシャルブレンドにしないの?」
「・・・うん、あたしはアメリカンが好みだから」
「まあ、俺もスペシャルブレンドを無理強いする気はありませんからアメリカンでも構わないですよ。それじゃあ注文しますよ」
「ああ」
「すみませーん」
『あー、はい、伺いまーす』
「・・・(うー、本当はあたしもスペシャルブレンドにしたいけど、半券を使ったサービスでも昼飯予算をオーバーしちゃうからなあ。でも、50円なら予算オーバーでも・・・いや、ここは初志貫徹あるのみ!)・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ねえ、喫茶店で何を頼めばいいのー?」
「そんな事を言われたってー」
「こっちは喫茶店に入った事そのものが無いんだぞー」
「お勧めメニューは何か分かる?」
「ちょっと待ってよー。今、検索してるからー」
「一人500円以上はぜーったいに駄目だからな!」
「喫茶店とはベタな店にしたわね」
「ま、ファーストフードよりマシかな」
「ところであそこの席、何をごちゃごちゃ言ってるの?」
「そんな事を気にしてる暇があったらあの二人の会話を聞き逃すぞ」
「それもそうね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます