第132話 大成、再び罰ゲーム(?)でデートする⑧~口が裂けても言えない~
ここは高校生は大人料金よりも安い学生料金で見れるから、俺も
となると、後は映画館で映画を見る時の必須アイテムとも言うべき「アレ」を何にするかだけど・・・今はまだ前の作品を上映中だから入れない。だから俺と石狩さんは並んで売店へ向かった。土曜日だから高校生と思われる人たちも見受けられるが、俺たちのようにプリティ・キュアオールスターズを見る人が果たして他にいるのかなあ。親子連れならあり得るけど、親子で見るものなら他にもいくつか有りそうだから、全員が俺たちと同じ部屋に来ないだろうなあ。
そんな俺たちはメニューを見ながら
「・・・石狩さーん、何にするつもりですかあ?」
「うーん・・・あたしはドリンクだけでいいや」
「あれ?ポップコーンとドリンクのセットにしないんですかあ?」
「あー、いや、そのー・・・あたしはポップコーンの食感が嫌いだから・・・」
「それじゃあ無理強い出来ないですね」
「
「うーん、最初はセットで頼もうかと思ったけど、それだと石狩さんに失礼だから俺もドリンクだけでしておきます」
「無理しなくて食べていいよ」
「いやー、俺だけ食べるのは逆に申し訳ないから」
「そうか、スマン」
「気にしないで下さい」
「・・・(うーん、本当はポップコーンを買うお金が勿体ないからなんだけど、さすがに口が裂けても言えない)・・・」
うーん、石狩さんはドリンクだけか・・・となると俺もドリンクだけでいいけど、どれにすべきかなあ・・・
「ところで何を飲むんですか?」
「・・・(うー、ここでお金を使うと本当のお昼を食べる小遣いが結構厳しくなるから一番安いミネラルウォーターで済ませたいけど、これも絶対に口が裂けても言えない)・・・」
石狩さんは妙に考え込んでるけど、もしかして決められないのかなあ。それとも、アレルギーとかがあって逆に選びにくいとか・・・あるいは・・・
「・・・ここは俺が持ちますよ」
「へ?」
「気にしないで下さい。このくらいは俺が出しますから遠慮しないで下さい」
「あー、いや、それだと駒里君に悪い・・・」
「大丈夫ですから。俺はコーラのLにしますけど石狩さんは?」
「・・・ゼロ・コーラ」
「サイズは?」
「・・・どうせ出してくれるならLにしちゃおうかなあ」
「いいですよ、じゃあ決まりだね。すみませーん、コーラのLとゼロ・コーラのLを1つずつ」
『あー、はい、ありがとうございます』
「・・・(はーーー、本当はアイスココアにしたいけど『お子ちゃまだあ!』とか言われそうだからなあ)・・・」
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「それにしてもプリティ・キュアとはねえ」
「ぜーったいに『この凄い世界に祝福を』だと思ったんだけどなー」
「けーっきょく、この賭けは全員外れかよ!?」
「ま、たまには昔に戻って見るのも悪くないわねー」
「ちょ、ちょっとー、オバサンみたいな事を言わないでよー」
「そうだよー」
「本気で入るつもりなのー?」
「仕方ないだろ!」
「でもさあ、プリティ・キュアなんて10年くらい見てないわよ」
「こっちも同じだ!」
「で、何を頼むつもりなのー?」
「「水」」
「えー!せめてコーラにしようよ」
「だってー、お金が勿体ないよお」
「そういう事。これ以外は絶対に拒否!」
「おーい、ポップコーンのドリンクペアセットでいいかあ?」
「うーん、出来ればポップコーンはLサイズがいいなあ」
「差額をそっちで持つなら」
「あらー、今日はそちら持ちでしょ?」
「はあ?なんで?」
「そっちの方が小遣いが多いんでしょ?」
「はーー・・・分かりましたよ、それじゃあ普通のポップコーンのドリンクペアセットを折半という事で」
「出来れば全額そっちで払って欲しいんだけどなあ」
「それは拒否。最初の約束だろ?」
「案外ケチね」
「うるさい!」
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