第117話 大成、石狩先輩と鶴沼先輩の関係に気付いて仰天する
俺は今日の1時間目の休み時間に
という事は、
ただ、俺だけを呼び出して、もう一方の当事者ともいうべき
鶴沼先輩は「何か飲み物でも注文してきなさいよー」とニコッとしながら言ったので、俺はコーヒーだけを注文してから鶴沼先輩たちのテーブルのところへ行ったが、鶴沼先輩が俺を手招きして自分の隣に座らせた。鶴沼先輩自身は石狩先輩と向かい合う形で座っているから、俺と石狩先輩は斜め向かいの形で座ったけど、石狩先輩はにこやかだけど俺の方は自分でも分かるが明らかに引き攣ったような笑顔のはずだ。
「・・・
「い、いやあ、まさか鶴沼先輩が言ってた『俺に会いたがっている人』というのが、まさか石狩先輩だとは思わなかったからさあ」
「あらー?もしかして可愛い女の子を紹介してくれると期待してたのかなあ?」
「せんぱーい、揶揄わないで下さいよお」
「まあ、それは冗談だけど、
「へえー、そうなんだあ」
「ここなら普段でも月形の足なら5分かからないから、今の足の状態でも10分あればお釣りが来るわよー」
「そんなに近くに住んでるんですか?」
「そう、この近くのマンションだからね。夜だから見えないけど昼間ならハッキリここからでも見えるわよ」
「へえ」
俺は何気なく鶴沼先輩と会話をしたけど・・・でも、今の会話を思い出して、鶴沼先輩がトンデモナイ爆弾発言をした事に気付いた!
「ちょ、ちょっと待ってください!今、鶴沼先輩は石狩先輩の事を『月形』って言いましたよね!まさかとは思いますけど・・・」
「あらー、今頃になって気付いたのー?鈍いわねー」
そう言って鶴沼先輩はニコッとしたけど、石狩先輩も格段怒ったような雰囲気でもなく鶴沼先輩の爆弾発言を訂正する素振りを見せない。という事は・・・
「マジかよ!?石狩先輩の彼女って、鶴沼先輩だったんですかあ!?」
「うーん、世間一般の考え方では、こいつは彼女に当たるようだがなあ」
「石狩先輩って、ロリコン趣味だったんですかあ?」
「おいおい、あまり揶揄うな!」
「あー、すみません、ちょっと調子に乗り過ぎました」
「分かればいいけど、お前の勘違いを少しだけ訂正しておくが、こいつが勝手におれのところへ押しかけてきて『このわたしを石狩君の彼女にしてください』とか言って、一方的に彼女ツラしているだけだぞ!おれは決してロリコンじゃあないからな!」
「あれえ、その割に毎日のように頭をナデナデしてくれますよねえ」
「うるさい!お前の背が低すぎるから犬や猫をナデナデする感覚とたいして変わらんぞ」
「たしかに石狩先輩と鶴沼先輩だったら、身長差が50センチ近くありますよねえ。大人が子供の頭をナデナデするのと大して変わらないよなあ」
「ま、
「おい!勝手に夫婦にするなあ!!」
「またまたあ、月形も照れなくてもいいわよー」
「まあまあ、それ以上言うと
「うっ、さすがのわたしも、広内金さんと同じ扱いにされるだけは勘弁して欲しいわ。だってわたしの方があるからね」
「ギリギリAの奴に言われたくないぞ」
「それは禁句!」
おいおい、結構仲睦まじきカップルじゃあないですかあ。誰が見ても俺と同じ感想を持つ筈だぞ。
あれ?・・・という事は・・・先週の金曜日に言った『あの話』は、一体、何の事だったんだ・・・
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