第113話 大成、青葉からの詫びの言葉を受け取る
それだけ言うと
「ちょ、ちょっと青葉、そんなに慌てて食べなくてもいいでしょ?」
「だーーー!ちょっと黙っていて!!」
青葉は
青葉はテーブルの上にあったパンと牛乳、それとウィンナー2本を押し込むようにして口に入れると、冷蔵庫から乳酸菌飲料のカップを取り出してブレザーのポケットに入れ、テーブルの上の残ったもう1枚のパンを口にくわえたまま走り出した。
「おーい、そのまま学校へ行くつもりかあ?」
「●□*#%▼!」
そのまま青葉は靴を履き替えると玄関を飛び出していった。俺は青葉を追いかける形で靴を履き替えて青葉に続いたけど、おいおい、どこぞのアニメのような展開になってるけど大丈夫かあ!?
そのまま青葉は小走りしながらパンを無理矢理喉に押し込み、乳酸菌飲料のフタを開けると一気に飲み干した。はー・・・これが全校生徒の鏡ともいうべき完璧超人のやる事かあ!?
青葉は飲み終えた乳酸菌飲料の空容器をビニル袋で縛ってから鞄の中に入れたけど、小走りのまま
「たいせー、どうしてもっと早く起こしてくれなかったのよー!ぷんぷーん」
「そんなのは俺のせいじゃあないぞ。だいたい、お前が朝になって部屋の片付けをするのが悪い!」
「そ、それは・・・」
「だよなー。俺のせいじゃあないぞー」
「たいせー、それ以上言わないでよお。私だって反省してるんだからさあ」
「・・・何か部屋を片付けられない理由でもあったのか?」
「・・・たいせー、約束守れなくてゴメンね」
「はあ?」
「私があーんな事をしちゃったばかりに、
「気にするな、記録なんて物はいつかは途絶える。それに新たな目標が出来た」
「でも・・・」
「そんな事でいつまでもクヨクヨしていると、周りの連中が怪しむぞ」
「分かった・・・」
「それでこそ青葉だ」
「・・・たいせー、私はいつまで完璧超人でいればいいの?」
「そんなのは決まってる。会長の任期が終わるまでだ」
「そんな先まで完璧超人でいられる自信ないよお」
「大丈夫だ、俺がついている。心配するな」
「たいせー、ホントにゴメン」
「だーかーら、気にするなって」
「分かった・・・」
その後は青葉は一言も喋る事はしなかった。ずうっと小走りだった俺と青葉が足を止めたのは
どういう理由で青葉がニコニコしていたのかは聞かなかったけど、何か吹っ切れたのかもしれない。俺はそう考える事にしてあえて青葉に問う事はしなかった。
新たな目標が出来た・・・本当はそんなのは嘘だ。ただ、青葉が落ち込んでるのを見るのが辛かったから咄嗟に言ってしまっただけだ。でも、俺は青葉が完璧超人の生徒会長であり続けるために、これからも支えてやらなければならない・・・あいつに優等生の仮面を被せたのは、ある意味、俺の責任だ。
これは俺が俺自身に課した義務だ。こいつが落ち込むところを見たくない、こいつが悲しむところを見たくない。
青葉が妹だろうが単なる幼馴染だろうが、こいつが泣くのを見たくない・・・ただそれだけだ。
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