第98話 大成、自分を無視して周りが口論している事にキレる
さあてと、もうここに残ってる生徒も残り少なってきたし、そろそろ他の柔道部の人が練習に来る筈だから帰ろうかな。
「おーい、こまさとー」
あれ?今度はあちら側から
「
やっぱりー。マジで勘弁してくれよなあ、俺だって好きで負けたんじゃあないぞ。それに少なくとも俺は『
「ちょーっと待ったあ!その話は無効だあ!!当然、駒里は柔道部ではなく剣道部に入るべきだ」
そう言って
当然だが鬼峠先生は烈火のごとく怒りだして
「鬼鹿先生!いくら大学の先輩といえどもこれは譲りません!駒里は柔道部に入るべきです。それにこれは約束でしたよね」
「あー、それは『
「はあ?石狩
「生徒は物じゃあないぞー。大人しく剣道部に譲った方が身の為だ」
「鬼鹿先生こそ脅迫紛いの言動は慎んでください。それに剣道部は駒里に負けてますよね」
「あれは試合ではなくエキシビジョンマッチだ。しかも高校生は二刀流の試合は禁止だから当然あれはノーカウントだ」
「それこそ屁理屈です!」
「とにかく、駒里は我が剣道部がもらい受ける!」
「いいえ、柔道部です!」
「剣道部だ!」
「柔道部だ!」
「剣道!」
「柔道!」
おいおい、マジで鬼鹿先生も鬼峠先生も勘弁してくれよなあ。少なくとも俺はどちらの部に入るとか、そんな話は一切した覚えがないんだぞ。
結局、この鬼鬼コンビの口論は
さーて、うるさい鬼鬼コンビの口論が終わったから俺もそろそろ帰ってもいいのかなあ、
そう思って俺は南先生の方を振り返って・・・はあ!?こっちはこっちで口論してる!
「・・・だーかーら、何度も言ってますけど無効だって言ってるじゃあないですかあ!」
「そんな事はありません!だいたい、太美さんが勝った時点で賭けはわたしの勝ちですから
「冗談じゃあありません!石狩君が病院に行った時点で彼は不戦敗です。当然、駒里君の勝ちという事で、賭けは
「太美さんが代理で駒里君と試合する事は東室先生だって認めたんですから、当然、この勝負はわたしの勝ちです!」
「だいたい、生徒に押し負けて自分の判定を覆すような教師では駄目です!そもそも一度は自分で駒里君の勝利を宣言しているのですから、この勝負は野花先生の負けです!」
「高校の先輩だから抑えてましたけど、言っていい事と悪い事があります!素直に東室先生は負けを認めるべきです!」
「野花先生!そうまでして他人のお金でケーキバイキングを食べたいのですか!」
「その言葉はそっくりそのまま東室先生にお返しします!」
「野花先生が払え!」
「東室先生が払うべきです!」
「野花先生!」
「東室先生!」
おいおい、勘弁してくれよなあ。何で
「・・・当然、ここは筬島さんの負けという事で決まりじゃあないですか!」
「そんな事ないわ!月形君が負傷して試合してない以上、不戦敗という事で浜中さんの負けよ!」
「駒里君が負けたのは事実でしょ?当然、わたしの勝ち!いい加減に諦めたら?」
「勝負は月形君と駒里君の試合が条件だったんだから、太美さんが駒里君と対戦したという事は月形君の試合放棄と同じよ!だから浜中さんの負け!」
「だーかーら、太美さんが月形君の代理で試合する事は部長のわたしだけでなく顧問の南先生も認めたんだから、賭けは当然有効だから筬島さんの負け!」
「そんなのは認めません。当然支払いは拒否します!」
「冗談じゃあないわよ!だいたい『デートしてたから金が無いからカラオケこま犬のお金が払えない』って泣きついてきた筬島さんが吹っ掛けたんだから、諦めて立て替えた分を素直に払え!」
「ノリノリで話に乗った浜中さんだって卑怯よ!だいたいさあ、そんなケチケチの性格だからいつまでたっても彼氏が出来ないのよ!」
「言っていい事と悪い事があるわよ!だいたい、あんたの彼氏はわたしが譲ってあげたというのを忘れた訳じゃあないでしょ!」
「それは浜中さんが勝手に言ってるだけよ!わたしに取られたからって僻んでるだけでしょ!」
「言わせておけばいい気になってるんじゃあないわよ!この場で勝負してもいいのよ!」
「望むところよ!」
おいおい、こっちは女子柔道部の部長と副部長がカラオケ代などというクダラナイ事で俺と石狩先輩の勝負を賭けの対象にしてたのかよ!だいたい、こんな事をしていたら
「・・・いつまでグダグダ言ってるんだあ?勝負は駒里の負け、いい加減に認めろ!」
「冗談じゃあない、月形が試合してない以上、あいつは不戦敗だから駒里クンの勝ちだあ!そっちこそいい加減に認めろ!!」
「だーかーら、駒里は負けを素直に認めたんだろ?」
「それは妹との試合の結果だ。月形は試合をするどころか棄権してるから不戦敗につき、この勝負は恵比島クンの負けだ!」
「却下。だいたい、駒里の最強伝説にはおれも正直ウンザリしてたからなあ。毎回のように
「断る!だいたい、紅葉山さんが勝手にやっていた事だ。ボクが知らなかった事を持ち出されても『あー、そりゃあどーも』としか言えない!恵比島クンの言ってる事こそ『負け犬の遠吠え』だあ!!素直に負けを認めろ!!!」
「はあ?そっちこそ素直に負けを認めて約束通り2週間、購買でパックジュースをおれに奢れ!」
「そっちこそ負けを素直に認めてボクに2週間パックジュースを奢れ!」
「断固拒否する!勝負は駒里の負けだ」
「駒里クンの不戦勝だ!」
「負けだ!」
「不戦勝だ!」
おいおい、二人の副会長がこんなクダラナイ賭けをしていたのかよ!?
あれ?もう一人の生徒会役員である
「・・・だーかーら、いい加減に諦めて素直に片付けの手伝いをしなさい!」
「冗談じゃあありません!だいたい、姉ちゃんが『柔道場の片づけが大変だから手伝ってね』とか訳の分からない事を勝手に言い出したんだぞ!僕は完全な被害者です!!しかも駒里先輩が負けた以上、約束通り僕は帰らせてもらいます。さっさと宿題と明日の課題を片付けたいので、姉ちゃんの手伝いは出来ません!」
「はあ?それは『石狩先輩が
「それは姉ちゃんの屁理屈だ。妹さんが代理で勝負して駒里先輩が負けた以上、僕は片付けを手伝う必要はありません!」
「そんな事はお姉ちゃんが認めません!素直に片付けを手伝いなさい!」
「手伝いません!」
「手伝え!」
「手伝いません!」
おいおい、キラキラ姉弟も俺と石狩先輩の試合を掛けの対象にしてたのかよ!?マジでみんないい加減にして欲しいぞ、ったくー。だいたい
「・・・だいたい、セクハラで反則勝ちしたからっていい気にならないでよね!本当なら大成の一本勝ちよ!」
「フン!自分から『1本』を取り消しておいて何を言ってやがる!あたしは正々堂々と勝負した!セクハラで勝ったなどと言われる筋合いはなーい!」
「セクハラでないなら色仕掛けかしら?どっちにせよ、こうでもしなければ勝てなかった人に言われたくないわよ!そんな脂肪の塊のどこがいいのよ!」
「無いからって僻んでるじゃあない!あたしだって好きでデカくなったんじゃあないからな!」
「私にだって立派な物があるわよ!だいたい大き過ぎると肩が凝って困るからこの程度で十分なのよ!セクハラするだけの物なら取っちゃいなさい!」
「セクハラ、セクハラ言うなー!色仕掛けも同じで言うなあ!とにかく勝ったのはあたしだ!誰にも文句は言わせなーい!」
「自分から誘惑しておいて恥ずかしくないの?そんなのは生徒会長として認める訳にはいきません!当然、この勝負の結果は無効よ!!」
「うるさい!とにかくあたしの勝ちだ!」
「私が無効と言ったら無効よ!私がルールブックです!」
「そんな物はあたしは知らん。いい加減にあたしの勝ちを認めろ!素直じゃあない奴め」
「認めません!」
「認めろ!」
「認めません!」
だーーー!おまえらー!!俺を無視して勝手に口論してるんじゃあなーい!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます