第97話 大成、なんだかんだでイジラレル
「あー、『
「勘弁してくださいよお。俺は投げられ役を2回も3回もやるのは御免ですよ」
「じゃあ、投げられ役ではなく本気で先生と試合してみる?こう見えても元・女子48kg以下クラスの高校王者よ」
「「「「「マジですかあ!?」」」」」
「あれー?言ってなかった?」
「ううん、わたしは聞いてないわよ。
「
「あたしも初耳だ。会長は?」
「私も初耳。
「女子が知らないのに男の俺が知ってる訳がないだろ!」
「あー、そう言えばー、この事を知ってるのは
「それじゃあ先生、今度わたしに稽古つけてください!」
「いいわよー。さすがに浜中さんのクラスだと勝負になるかならないかのギリギリの線だと思うからー、軽く手合わせする程度になるけどー、太美さんのクラスまでなら互角に試合をやれる自信があるわよー」
「お願いしまーす」
「あたしも是非」
「
「いやー、筬島先輩、俺は遠慮しておくよ」
「会長も南先生に鍛えてもらいなさいよー。特に寝技を鍛えて駒里君を喜ばせてあげないと嫌われるかもねー」
「たしかに筬島先輩の言う通りかもねー、私は投げ技は天下一品でも抑え込まれたら女子柔道部の誰よりも下手だからね。そっちを鍛えないと駄目かも」
「かいちょー、筬島さんが言った本当の意味が分かってるの?駒里君は意味が分かったみたいで顔が真っ赤になってるけど」
「はあ?大成、どういう意味なの?」
「お前さあ、筬島先輩に揶揄われたって事に気付けよー。南先生だって笑ってるんだからさあ」
「????? (・・? 」
「まあ、そこが会長のいいところなのかもねー」
「「「そうそう」」」
「えー、ますます意味が分からないわよお」
「はいはい、とにかく折を見て先生が組手をしてあげるからー。そろそろ駒里君も立ちなさいよー、いつまでも寝転がってるなんて若者のする事じゃあないわよー」
「はいはい、分かりました」
「『はい』は一回だけ!」
「はい、わかりました!」
たしかに南先生の言葉ではないけど、俺のポイントを剥奪した青葉を見返す意味でも大技の1つや2つ、豪快に決めてやればよかったかなあ。それにしても反則負けとはいえ試合に負けたのだから、これで俺も呪いがどーのこーのとか言われなくなればいいけど・・・。
やがて
「あにきー!反則負けとは情けないぞ、それでも男かあ!?」
「みどりーん、男だったから反則負けを取られたんだよー。それを言ったらお兄ちゃんが可哀想だよー」
「うるさい!だいたい胸をバシバシ触ってニコニコしていた罰が当たったとしか思えない!」
「みどりんはギリギリAだからねー」
「自分だって同じだろ!こんな所で言うなあ!!」
「ウチの方が1センチ大きいわよー」
「そんなのは測定誤差の範囲だあ!」
「ホントかなあ」
「うるさい!それより兄貴、情けない負け方をしたからには、後でビシバシしごいてやるから覚悟しておけよ!」
「だーかーら、みどりんやウチが相手ではビシバシしごくどころかー、逆にビシバシしごかれるのがオチだよー」
「うっ・・・と、とにかく反則負けなどという不名誉な負け方をした罰として、次の週末もマイスドのドーナツを奢れ!絶対だぞ!!」
「勘弁してくれよお、何で俺がお前にドーナツを奢らないといけないんだ?」
「う、うるさい!あたしだけではない、可愛い妹二人に奢れと言う意味だあ!」
「そんな目茶苦茶な事を言うなよー」
「つべこべ言うなー!負けは負けとして素直に認めろー!!」
「はいはい、それは分かったから、だからと言ってドーナツとこれは別問題だぞ」
「とにかくドーナツを奢れー!」
「わーかったから」
「約束だぞ!」
はー・・・マジで緑も勘弁して欲しいぞ。楓だってニコニコ顔だから何を考えてるのか分からないけど、緑に何も言わないところを見るとドーナツを食べる気満々だな。しかも緑も楓も何個食べる気でいるんだあ!?
そのまま楓と緑は柔道場を出て行ったけど、緑の方はさっきまでのツンとした顔ではなくニコニコ顔だ。何だかんだと屁理屈を並べてドーナツを勝ち取ったも同然だからな。そりゃあご機嫌になるよなあ、はーーーー・・・。
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