第86話 大成、教室へ行ったら血相を変えた二人の生徒に詰め寄られる
「「行ってきまーす」」
今日も俺と
それが理由なのか知らないが、今日は二人とも先に行くと言ってたから俺と青葉しかいないけど、緑は俺が青葉の家へ行く時に
「今日は青葉ちゃんとデートしながら登校してくる事を許可してやるから有難く思え」
と皮肉たっぷりに言ってたなあ。もちろん、顔は笑ってたけど。楓はいつも通りのノホホンとした表情だったから何を考えているのか全然分からなかった。
今朝の青葉は心なしか緊張しているように見えるのは気のせいか?いつものような元気が感じられない。それは他の人も同じように感じるらしく、青葉に会う人のほぼ全員が青葉の顔を覗き込んで『?』という表情をしている。青葉自身はそれに気付いてないらしく、本人は普通に歩いてるつもりみたいだ。
なんとなくなだが生気のない挨拶をしていた青葉は俺と一緒に信号待ちで止まっていたけど、その道路の向こう側をいつものように(?)
そんな俺と青葉がいつも通り並んで2年1組のドアを開けて教室へ入った・・・のだが、教室へ入った瞬間
「こまさとー!お前、本当なのかあ!?」
「そうよそうよ、勘弁してよお」
いきなり一組の男女が血相を変えて俺と青葉に詰め寄ってきた。そう、こんな事をするのは
「ちょ、ちょっと浜も天塩さんも落ち着け!」
「何を騒いでるの?」
「これが落ち着いていられるかあ!」
「落ち着いていられなーい!」
「「とにかく落ち着いてください!」」
俺は仕方なく浜の両肩を押さえるような形で浜を落ち着かせ、青葉は天塩さんを宥めて、ようやく二人が落ち着いてくれた。
「浜、一体、何を騒いでたんだ?」
「あー、実は・・・放課後、
「当然だけど、どっちが勝つのかっていう話題で持ち切りなのは駒里君も青葉ちゃんも知ってるわよね」
「おれも天塩さんも、当然だが駒里が今回も勝つと予想して・・・」
「それで、ついつい調子に乗っちゃって・・・」
「ところが、駒里が今回に限っては「自信ない」とか言ってるってみんな噂してたからさあ」
「わたしも正直、大失敗したなあって思ってね」
「「はーーーーー・・・・・」」
おいおい、お前ら二人して何をため息をついてるんだ?それに俺も青葉も話の内容が全然分からないから首を傾げる事しか出来ないぞ!?
「あのー・・・天塩さん、一体、何を調子に乗ってたの?」
俺は天塩さんに話し掛けたけど、天塩さんは浜と顔を見合わせた後にもう1回「はーーー・・・」と長~いため息をついて
「実はさあ・・・」
「やあやあ、これは浜
いきなり後ろから声を掛けらたから、浜と天塩さんだけでなく俺と青葉もその声がした方を振り向いた。
そこには赤いネクタイをした男子生徒と赤いリボンをした女子生徒が二人ずつ、合計4人が立っていて、しかも4人ともニコニコ顔だ。
「来たなー、しかも『
「おー、これはこれは浜君、早くも降参ですかあ?」
「うるさい
「フン、今回に限っては君たちの負けだ。おとなしくオレたちに譲ってもらおう」
「まだ勝負がついた訳じゃあないぞ、勝手に決めるなあ!」
「まあまあ、どうせ今日は・・・あー、いや、本人の前で言うのは失礼だからやめておくよ」
「フン!強がっていられるのも今のうちだあ」
「強がってるのはお前たちの方だ」
「言わせておけばいい気になりやがって」
とうとう浜と天塩さんは4人組と睨み合いになったから、キレた青葉が「双方ともやめなさい!」と雷を落としたのでようやく大人しくなり、浜や天塩さんだけでなく、その『東西南北カルテット』と呼ばれた4人組もシュンとなった。
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