俺は会長の幼馴染兼秘書兼下僕兼ボディーガード兼・・・兄貴？？

第41話 大成、恋煩い（？）を疑われる

「そ、それは・・・」

「ズバリ！言い当ててあげよう！」

「へ？」

「たいせー、もしかして恋煩いじゃあないの？」

「はあ？」

「だってさあ、男の子がボーッとしてため息を何度もするって事は、どう見たって好きな子が出来たけど、その子にどうやって声を掛けたらいいのかなあ、って思いにふけっているに違いないよ」

「お前さあ、どうしてそういう結論になるんだ？」

「だってさあ、峠下（とうげした）さんや幌加内（ほろかない）さんも言ってたよ。男の子が『心ここにあらず』っていう物思いに耽（ふけ）っている時は絶対に好きな子が出来たに違いないって言ってたよ」

「お前さあ、もしかして俺がボケーってしてる事を峠下さんや幌加内さんに言ったのかあ？」

「そうだよー」

「あのなあ、仮に俺が誰かに惚れたとしたら、青葉（あおば）自身はどうするつもりだ？まさかとは思うが俺のケツを引っ叩いて『男は度胸！当たって砕けろ』とか嗾けるつもりじゃあないだろうな？」

「もちろん、そのつもりだよー」

「勘弁してくれよお」

「まあ、状況から見て１年生の誰かにビビビッと来た可能性が高いけど、大穴で去年は１年１組だったけど、今年は同じ２年１組になった女子の誰かの可能性があるわね」

「勝手に言ってろ！」

「あーーーー！！！」

「いきなり何だよ！？」

「去年は１年１組だった女の子で、今年は同じクラスになった子の中で一番可愛い子といえば森簾（もりみす）舞（まい）ちゃん、一番スタイル抜群なのは川湯温（かわゆね）泉（いずみ）ちゃん、この二人のどっちかしか有り得ない！」

「はあ？どうしてそうなるんだ？」

「だってさあ、授業中の大成の視線の先は、舞ちゃんと泉ちゃんの机がある方向しか向いてなかったよ。だから絶対に確率２分の１だ！」

「はいはい、じゃあ勝手に想像してください」

「あー、上手く逃げたわね」

「逃げたもなにも、お前の予想はハズレだよ」

「えー、という事は１年生なの？」

「それもハズレだ」

「ま、まさか・・・」

「今度は何だあ？」

「華苗穂（かなほ）先輩に惚れたとか言い出すんじゃあないわよね！」

「勘弁してくれよお。いくら同じ生徒会メンバーでも、広内金（ひろうちがね）先輩だけは絶対にあり得ない！」

「まあ、それもそうよねー、華苗穂先輩だけは有り得ないわよねー。もし大成が華苗穂先輩に『好きです。付き合って下さい』とか言ったら、その瞬間に華苗穂先輩が感激のあまり気絶しちゃうでしょうからねー」

「あの先輩の事だから案外そうかもしないぞ。でもさあ、広内金先輩に告白したいと思う男子がこの学校にいると思うか？」

「あー、絶対にないない。恐らく学校中の男子全員に聞いても異口同音に『絶対にあり得ない』って答えるでしょうね」

「そうだよなー。結構綺麗なのに、まさに恐怖の対象だもんな」

「なーんか、勿体ないよねー」

「史上最怖（？）の風紀委員長とまで恐れられていて、『彼女にしたくない女』ナンバー１とも言われてる広内金先輩と付き合いたい物好きがいたら、是非とも教えて欲しいなあ」

「そうだよねー。華苗穂先輩だけは有り得ないよねー」

「悪かったな！ボクだけは有り得なくて！！」

「「！！！！！　　(・・！)　」」