シーン2-2
どうしたんだろう。
トイレから戻ると、神様が酷い顔をしていた。
悲しそうな、悩んでいるような、そんな表情。
たまらなくなって、ボクは神様を呼んだ。
すると、神様はビクッと反応して、ボクの方を見る。
「みぃ、どうかした?」
「なんか、酷い顔してたから」
「ごめんごめん。考え事してた」
その言葉に、胸が苦しくなった。
ボクは、力になりたいのに。
いっつも頼りっぱなしだから、力になりたいのに。
相談してすらくれない。
見ればわかる。なにか辛いことを考えてるんだって。
「ほんと?」
深く聞いたら嫌われるかもしれない。
そう思ったら、そんなことしか聞けないなんて、ボクの意気地なし。
「うん。本当」
無理に笑わないでよ。
わかっちゃうんだよ、そんな作り笑い。
だって、幼稚園から一緒なんだよ?
だから、やめて欲しいのに。
嫌われるのが怖いからって何も言えない。
神様から、『高校の近くに部屋借りて一緒に住まない?』と提案されたときは、嬉しかった。
これで、意気地ないボクでもちょっとは恋人に近づけるかなって。
でも、告白なんかする勇気もなくて、結局精神的な距離は何も変わらなくて。
ただ、前よりも神様に頼りっきりになっただけ。
ボクが望んでいるのはこんな関係じゃないのに。
お互いに頼り合える、そんな関係なのに。
一方的に頼ってばっかり。
ボクだって、神様に何かしてあげたい。
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