第三章 心優しき

第三章 心優しき

製鉄所。日本旅館を改造したような建物。正面にある、扉のついた門には、青柳という表札と、たたらせいてつと書かれた貼り紙がしてある。

その一角にある応接室。

杉三「何?交響詩ができたって?」

懍「はい、そのためにはずいぶん議論もしたんですけどね。結構難航しましたね。」

友助「すみません、僕が何も知らないばっかりに。」

杉三「だから、それはいいんだってば。」

懍「そうですよ。杉三さんの言う通り、そういう知識に頼らずに、こういう音楽が書けてしまうのはある意味ではすごいと言えますからね。」

友助「でも、僕、あまりに知らな過ぎて。だって、本当に楽器の名前すら知らなかったんです。幸い、誰も怒らないで親切に教えてくれましたけど、他の人だったら、そんなことも知らんのかって、湯気を立てて怒るかもしれなかったです。」

懍「それで普通じゃないですか。若い人で管弦楽に詳しいなんて、音楽学生でもなければ知りませんよ。」

蘭「で、編成はどうしたの?」

懍「よくある、ロマン派の二管編成にさせてもらいました。まあ、弦ばかりではいけませんので、管を多用させてもらいました。」

蘭「そうしたわけね。」

杉三「じゃあ、焼夷弾の爆発ではなく、マフィアの殺し合いでもなく、しっかり桃の花になった?」

懍「はい、それだけは回避できました。箏の音だけで演奏すれば、確かにそのような曲になってしまいますが、管弦楽だと、楽器を変えて雰囲気をまた変えられるから、また違ったイメージが作れるんじゃないですか。」

杉三「そうそう。それが管弦楽のいいところ!本当は、箏の音楽ではなく、管弦楽に置き換えたほうが、繁盛すると思われる作品は、星の数ほどあるよねえ。」

懍「そうですね。沢井なんかその代表格ですよ。」

杉三「スコアを読ませてよ。」

蘭「杉ちゃん読めないのに何を言っているんだ。」

水穂「これだよ。」

と、机の上においてある、桐の箱を開ける。

五センチほどある分厚い五線譜の束が置いてある。

蘭「はあ、、、。結構大曲だったんだねえ。」

水穂「まあね。と言っても、最近はパソコンですぐにかけるけどさ。やっぱり、楽譜は手描きのほうがいいよ。」

蘭「でも、書いたには書いたけど、これどうするんだ?」

水穂「うん、教授の知り合いで、アマチュアオーケストラの指揮者の方がいるから、その方に差し上げようかと。」

杉三「へ、じゃあ、上演される可能性もあるの!」

懍「そういうことですね。」

杉三「よし、これで名誉挽回もできるわけね!」

懍「そうですね。とりあえず、富士フィルの指揮者の先生に渡せばいいんじゃないかと思います。新曲、ほしがっていましたので。」

杉三「すごいすごい!よかったね。場違いから救い出してもらって!」

懍「これは僕からの提案なんですけどね、思うのですが、師匠の麗華先生とは、決別したほうが良いのではないでしょうか。」

友助「麗華先生と、決別?」

懍「そうです。」

蘭「つまり別れるという事だから、お箏教室からはずれろと?待ってくださいよ、それが彼にとって唯一の居場所のようなものでしたのに?」

懍「そうですよ。そのほうがいいと思います。だって、これからまた、麗華先生によってそのような場違いが引き起こされる可能性もあるわけですしね。それに、邦楽は無意味な縦社会ですから。それなら、洋楽の世界に飛び込んだほうがいい。」

蘭「教授、具体的にどうしたらいいのか教えてやってくださいよ。」

懍「だから、富士フィルの指揮者の先生にこれを上演してもらい、それがうまく行けば、富士フィルの専属として、作曲家として契約させてもらう。そうすれば、ある程度将来は約束されると思います。」

杉三「わあ、まさしくヴァニュハルだ!」

蘭「ヴァニュハル?」

水穂「ああ、ヨハン・ハブティスト・ヴァンハルのことね。」

蘭「なんだよそれ。」

水穂「ウイーン古典派の、作曲家の一人だよ。ボヘミアの、奴隷の家系だったけど、作曲家まで大出世した人でしょ。ちなみに杉ちゃんの言ったのは、チェコ語での名前。」

蘭「人の名前か。杉ちゃんも、水穂ももっとわかりやすく発言してくれよな。僕は、全然わからない。それに、なんで杉ちゃんがそういうマニアックな名前を知っているのだろう。」

杉三「知らない。馬鹿の一つ覚えとしか言いようがないよ。」

蘭「結局それなんだから。」

友助「でも、僕、本当にいいのでしょうか。だって、本当に管弦楽のことなんて何も知らなかったんですよ。それが、まさか書き直してもらえただけでなく、上演までされるとは、本当に、身の程知らずもほどがあると思うんですけど、、、。」

杉三「一体なんでそうなるんだろうね。そういう変な先入観が才能を潰していると気が付かないのか。少なくともヴァニュハルは、そこまでへりくだる人ではなかったと思うけどね。もしかしたら、本当は、音楽というもんが好きではないのかなあ。」

友助「違いますよ!そんなことはありません!」

杉三「だったら、もうちょっと堂々とせい!自信のなさすぎは、そういう風に取られる。」

友助「そうじゃなくて、皆さんとは、足元に及ばないからで。」

杉三「あれえ、じゃあ、僕みたいな文字が書けないやつはどうするの?」

友助「あ、、、。」

杉三「だったら、もう少し、自信を持ってくれ。頼むから!」

友助「はい。わかりました。」

水穂「本当は、書いた人がもう少し自信を持っていいんです。」

と、軽く咳をする。

蘭「大丈夫かお前。さっきからずっと気になっていたけど、顔色悪いぜ。」

水穂「そうかな?何もないけど?」

蘭「何もないって、すでにあると思うけど?」

懍「まあ、確かにあれだけ作業に費やしていたら、誰だって疲れます。もともと弱いということをしっかり自覚してもらわないといけません。それを加減してやってもらいたいんですけどね。音楽家と言いますのは、そういうところは不得手ですね。大体の人が。」

蘭「ああやっぱり。だからモーツァルトが短命であったんじゃないの?」

水穂「関係ないよ。そういう事は。」

蘭「鏡みてみろ。相変わらず白い顔しているが、紙どころか雪みたいだぜ。」

心配そうに見ている友助。

懍「水穂さん、くれぐれも他の人に迷惑かけないよう、よく考えてくださいよ。それをしっかりやってもらわないと、また、何かしらの弊害が生じますから。」

水穂「すみません。怒られてしまいましたね。でも、本当にここのところ悪くなってはいませんので、気にしないでくださいね。」

と、言いながらもまた咳をする。

杉三「嘘はだめだぞ。まあ、大仕事をやり終えた後だから、誰でも疲れるもんだけどさあ、水穂さんには、それが酷く出ちゃうんだから、人一倍気を付けてもらわないとね。」

蘭が腕時計を見る。

蘭「僕らも、そろそろ帰ろうか。もう、四時を過ぎた。寮生さんたちのご飯を邪魔しては悪いし。」

水穂「ああ、もうそんな時間なんだね。全く、話し込んでいると時のたつのが早いよ。」

杉三「そうか。家に帰って晩御飯作らなきゃ。本当は乾杯でもしたかったよ。」

懍「それは、日を改めて執り行えばいいでしょう。」

杉三「そうだね。じゃあ、僕らは帰るが、これからもいい曲をたくさん作ってね!」

友助「はい。」

スマートフォンをダイヤルする蘭。

数分後、タクシーがやってきたので、杉三たちはそれに乗り込んで帰っていく。

友助「僕も帰ります。」

水穂「なんだ、杉ちゃんと一緒に乗せてもらえばよかったのに。」

友助「いえ、最後まで世話になっていると申し訳ないので、一人で帰りますよ。それに、僕の家は、歩いて20分くらいの距離ですし。」

懍「かなり、歩くんですね。」

友助「ええ。でも、いつものことなんで、大丈夫です。」

懍「それならいいですけど、最近は、雨の多い季節ですから、急に濡れないように気を付けてくださいよ。」

友助「大丈夫です。多少の雨は平気です。」

水穂「風邪をひかないでね。」

懍「水穂さん、正門まで送ってくれます?」

友助「いえ、結構ですよ!」

懍「そんなこと言わずに。一応、今日で交響詩が完成したことになるわけですから。」

友助「あ、そうか!ほ、本当に手取足取り教えてくださって、お礼の言葉もありません!本当に、ありがとうございました!」

懍「いいえ。スコアはお渡ししましょうか。僕たちは、コピーがあればそれでいいですから。」

友助「いえ、教授と、水穂さんで持っていてください!僕はただ、もとになるものを作っただけで、それ以外の脚色は、水穂さんにしていただいたわけですから!」

水穂「謙虚な人ですね。本当は、高く評価されていいはず。」

友助「あ、ありがとうございます!」

懍「じゃあ、正門まで送ってあげて下さい。一応、スコアは僕たちで持っていますが、何かあったらいつでも開示できるようにしておきますからね。著作権は君にあるわけですから、時折、使用について、相談するかもしれません。」

友助「まだ、信じられませんが、とにかく今回は本当にありがとうございました。いくらお礼を言っても足りないくらいです。」

懍「お礼なんで要りませんよ。僕たちは、君が幸せになってくれればそれでいいですから。」

友助「本当にありがとうございました。じゃあ、またどこかでお会いできたら。」

懍「そうですね。」

と、骨っぽい右手を差し出す。友助も、それを握り返す。

水穂「行きましょう。」

友助「はい。」

懍から手を放し、水穂について、静かに応接室を出て行く。

廊下は、むうっとした暑さ。応接室こそ冷房が効いていたが、廊下ではそうはいかない。

友助「気温自体はさほど高くないんですけどね。この時期、湿度が高いから、ちょっと動いても汗が出ますよね。」

水穂「山ですからね。それがもろに出るんですよね。」

玄関先にやってくる二人。

友助は、急いで靴を履く。

友助「じゃあ、どうもありがとうございました。また何かありましたら、、、。」

不意に咳の音。

友助が後ろを振り向くと、赤い液体が、ぼたっと足元に落ちる。

友助「あ、ど、どうしよう!」

同時に激しい咳とともに、大量の血が流れ落ちてくる。

友助「だ、大丈夫ですか、何とかしなくちゃ!」

懍「構いません。放っておけば。」

友助「でも、何とかしないと、、、。」

懍「いいえ、彼の不健康さと、自己管理のなさがそうさせたわけですから、ある意味自業自得ですよ。」

友助「しかし、先生、それでは申し訳なさすぎます。」

懍「そのうち止まりますよ。まあ、背でもたたいてやったらどうですか。」

その通り、水穂の背を叩いてやる友助。

それを何度か繰り返していると、やっとこさで止まる。

水穂「ごめんなさい。当面何もなかったので、大丈夫かなと思っていたんですが、油断しすぎましたね。」

友助「謝らなくてもいいですよ。それに、無理してしゃべらなくても。」

水穂「ご迷惑かけてすみません。」

懍「後で、床を拭いておいてくださいね。玄関先が汚れたら、非常に困りますので。」

友助「それくらいなら、僕が代わりにやっておきます。水穂さんは、部屋に戻って、横になってください。」

懍「いいえ、外部の人にさせるわけにはいきませんよ。悪いのは彼の方ですから。」

友助「それではなんだか冷たすぎる。」

懍「冷たいじゃなくて、自身でしたことの始末ぐらいできないでどうするんですか。」

友助「そうかもしれないですけど、ある意味僕が悪いところもあります。水穂さん、歩けます?」

水穂「何とか歩けますよ。」

友助「肩かしますから、部屋に行って、横になってくださいよ。出ないと、本当に無理をしすぎたことになりますので。」

友助は、水穂を支えて何とか立たせ、彼の部屋まで連れて行く。

懍「なるほど。そういう優しさもあるんですか。」

そして、数分後に戻ってきて、

友助「先生、雑巾貸していただけないでしょうか。」

懍「応接室の掃除用具入れの中に。」

友助「わかりました。」

と、応接室に走っていく。そして、濡れ雑巾をとってきて、丁寧に玄関の床を掃除し始める。

懍は、その一部始終を見る。

懍「そうやって、率先して誰かの世話ができるわけですから、決して能力が低いということはないということを、頭の片隅に入れておいてくださいね。」

すこし、赤みが残ってしまったが、床は綺麗になった。

友助「はい。これで何とか大丈夫だと思うのですが。」

懍「どうもありがとうございます。」

友助「だって、当り前じゃないですか。」

懍「いいえ、歩けない、僕にはできないことですから。」

友助「い、いや、そういう事は関係なく、ただ、普通に、当たり前として、やっていただけのことですよ。まさか、本人後始末させるなんて、かわいそうですもの!」

懍「そうですか。もう、暗くなってしまいますから、早めに帰りなさいよ。」

友助「でも、水穂さんが、」

懍「いいえ、夜道は、送っていけないので。水穂さんには後で伝えておきます。」

友助「すみません!ほ、本当に迷惑かけてしまって。じゃあ、これで帰りますが、水穂さんに、無理をさせてしまって申し訳なかったと、」

懍「そこまでへりくだる必要もないですよ。」

友助「あ、ああ、ああごめんなさい。じゃあ、すぐに帰ります!」

すごすごと帰ってしまう友助。

翌日。

製鉄所。

応接室で書きものをしている懍。

急にインターフォンが鳴る。

懍「はい、どなたですか?」

と、玄関へ移動し、戸を開けると、友助が立っている。

友助「すみません。」

懍「何でしょう。」

友助「水穂さん、いますか?」

懍「水穂?布団で寝てますけど?」

友助「どうしても、気になって。」

懍「気になったって何が?」

友助「水穂さん、おつらい思いしてないかなって思って。」

懍「そういうことなら結構ですよ。」

友助「そうですよね。すみません。余計なことでしたね。余分なこと心配しちゃって、ごめんなさい。でも、どうしても気になって、こちらに来てしまったんです。余計なことだったかもしれないですけど。」

懍「確かに、こうして複数回来訪するのは珍しいです。」

友助「そうですね。申し訳ありません。」

懍「まあ、そうなんですが、自分のことでではなく、他人のことを気にして複数回来訪するという事例は、非常に珍しいと思いますよ。そういうところは、なかなかできそうでできることでもないですよ。大体の人は、気になったとしても、頭に思うだけで実行するのはほとんどないでしょう。」

友助「すみません、、、。」

懍「いえ、責めているわけではございません。それは気にしないでください。それよりも、素直に喜べばいいことだと思いますが。」

友助「どういうことですか。」

懍「そこまで他人のことを考えられるという人間はなかなかいませんよ。ただ、現代社会では、そういう人は迷惑がられるのが通例ですので、偉いと誉めることはできませんけどね、でも、そういう感性を持っていることは高く評価するべきでしょう。」

友助「では、僕、正しいことをしたのでしょうか。それとも間違えた事をしてしまったのでしょうか。」

懍「わかりません。古代の儒教的な思想が支配的であった時代であれば正しいと断定できるかもしれませんが、残念ながら、今の時代では、そのような存在は、ほとんど需要がないと言っていいでしょうね。ただ、倫理的に言って、他人に対してそういう心配ができると言いますのは非常に優れた存在であるとされるのは確かでもありますよ。僕も、君が今した行為につきましては、見方次第で善にもなれば悪にもなるわけですから、誉めるべきなのか、それとも迷惑だとして追い出すべきなのか、断定することはできないわけです。きっと、君くらいの年頃では、こうするべきだという答えがあったほうがより動きやすいと思いますけど、現実問題それは正しいのか正しくないのか、社会が提供してくれる時代ではなくなっておりますので、そんな風にはっきりと指示を出すことは、できませんね。」

友助「そうですか。じゃあ、やっぱり僕は、役に立つことをしたわけではないのですね。水穂さんのことが、どうしても気になって、頭がぼやぼやしていたから来てしまったんですけど、それは、間違いだったというわけですね。」

懍「いえ、それすらわからないというのが、現代の答えでしょう。」

友助「そうですか。では、こういうことは、やっぱり役に立つことはないのですか。僕のすることは、何をやっても、意味がないというわけですね。」

懍「まあ、これだけ情報網が発達してしまえばね、人に会いに行く効果は皆無という時代になりつつあるでしょうね。しかしですね、あるものを媒介にすれば、格段に役に立てるという時代にもなりつつある。それさえうまく使えば、その感性を生かすこともできますでしょう。つまりこうです。無償で何かされるのは、迷惑ですが、有償で何かされるのであれば、大いに歓迎される時代になったということですよ。単に、愚痴の聞き役でさえも今は報酬が発生する時代でもありますよ。」

友助「ど、どういうことですか。だって僕、大した学歴も経歴も何もないので、仕事に就くというのは無理です。仕事にも過去に一度就いたけど、社内で窃盗事件があって、無理やり犯人扱いされてしまって、やめざるを得なかったんですよ。それ以来怖くて就職という物ができなくなってしまって、、、。」

懍「ああ、そういうことですか。それはね、あなたが、あなたの強みをはっきり知らなかったのと、あなた自身が自信を持てなかっただけのことです。この間、水穂と一緒に交響詩を作らせてもらいましたけど、あそこまですごいものが書けるということ、そして、他人のことが気になって、こうして来訪してしまうこと。この二つを強みとしなさい。そして、現代社会ははっきりした指針がないわけですから、逆を言えばどんな商売でも成立することを覚えておきなさい。例えば、僕たちのたたら製鉄だってそうです。現代は、もっと効率のよい製鉄がとっくに確立されている。しかし、こんな大昔の製鉄に惹かれるのは、現代社会は何一つ良いものを提供してくれなくなったということの表れなのかもしれないですよね。ですから、何が強みであって、それが何をもたらすかをしっかり打ち出せば、何でも金儲けのできる時代になったということなんです。あなたは、法律的に言えば、精神障碍者福祉手帳を持ち歩いて、部屋の隅に縮こまって生活するしかできないのかもしれませんが、逆を言えば違う世界を持ち歩いて生きており、そこを共有させようという方向にもっていけば、そう区分された人間であっても、金儲けは可能ではないかとおもうのですけどね。」

友助「でも、そうなれば、病院で許可など、」

懍「そんなものいりませんよ。そんなもの、自ら壁を作っているだけでしょ。」

友助「そうでしょうか。」

懍「ええ、事実そうです。まあ、そのために称号が必要なのなら、取ればいい。ただそれだけの話です。」

友助「そうですか、、、?」

懍「そうですよ。確かにフロンティアはなくなりましたけど、同時に獲得した指針も失いましたからね。まあ、まだお若いから、少しばかり難しいかもしれませんね。でも、若いということは時間かまだまだあるわけですから、多少時の流れに任せて、考える時間なのだと解釈してもいいのかもしれないですね。たぶんきっと、時間はかかるかもしれないですけど、何か見つかると思いますよ。」

友助「わかりました。先生。頑張ってやってみます。本当に、教えていただいて、ありがとう。」

軽く一礼して、製鉄所を出ていく。懍はにこやかに彼の姿を見守る。

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