第18話 だるまさんがころんだ

「やり方は知ってじゃろ?」

「うん。」

 そう言えば『だるまさんがころんだ』やったことない…。

「『だるまさんがころんだ』の代わりに『ぼうさんがへをこいた』でもいいからな。」

 一瞬の戸惑い。それを見逃さなかったのはウサちゃん。

「やだ。女の子は、そんなの使わない。」

「そ~だ! そ~だ!」

 他の女の子も続く。その剣幕に圧されたのか、

「解ったよ。『だるまさんがころんだ』だけで。」

と。


「じゃ、やるよ。」

 タツマくんの掛け声で集まる。

「グッパーじゃんけん〜で〜。」

 皆は、じゃんけんの構え!

「ほい!」


 何処にでもいるんだ、御調子者は。

「タマオくん。チョキ出した〜。」

 ウサちゃんが突っ込む。

「じゃあ、タマオくんから〜。」

 タツマくんが決める。

「そうだ。そうだ。」

 皆ものった。当然、私も。


「へへへ。」

 ボケたのを突っ込まれたのが嬉しかったのか、頭を掻きながらタマオくんが笑う。


 タマオくんが木に目を右腕で隠す様にしながら寄りかかる。

「人数多いから、ちょっと離れた所から始めよう。」

「は~い。」

「タマオくん。聴こえる様に大声出して。」

「判った!!」

 もう、大声になってた。



「だるまさんがころんだ。」

 最初から大胆に動く皆。


 流石に『だるまさんがころんだ』には技なんて無いだろうと思っていたら、

「だ〜〜〜るまさんがころんだ!」

 テンポ変えてきた。最初ゆっくりで、後半スピードアップ!

 常に遊びは進化するんだと驚いた。


 常に攻防戦はある。


 そして、解った…。『だるまさんがころんだ』って意外と走るんだ。



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