第6話 次は

 当初の目的である手動ポンプを制した私は、次の遊びを考える。

「何かないかな?」

 『キョロキョロ』してみるが、これといったものは見当たらない…。

 と、耳に留まるものはあった。

「虫が鳴いてる。」

 蝉だ。なんて名前かは知らないけれど。

 でも、私の記憶は『虫が鳴く』のではなく『虫で泣く』だけど…。



「キャー!」

 お母さんの悲鳴。台所からだからいつものか…。

「どうした!?」

 駆け付けるお父さん。台所からだからいつもだよ。

「ゴ、ゴキブリィ!」

 そして、台所で始まる戦争。人間VSゴキブリ。

 実は私もゴキブリは苦手だ。だから、近付かない。

「お父さん。がんばって!」

 お母さんの応援に私も乗る。


 後よく見るのは、蝿と蚊ぐらいかな? 籠(かご)に入って売ってない虫は。他にもいるんだろうけど無理には探さないし。


 女の子だから虫捕りは止めた。それに、お母さん嫌がるかもだ…。



 どうしようかと首を巡らせる。

「あっ!」

 道端の花が目に留まる。

「お花摘みしよう。」

 次の遊びが決まった。

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