第5話 遊ぶ
玄関を出ると私は目的の場所へ向かった。そこは、庭の一角。
「あった!」
近付くと同時にレバーを握り『ガシャン』と下へ。一回では駄目なのは、前にやった時と同じ。
「えぃ! えぃ!」
『ガシャン』『ガシャン』と何回もレバーを下げる。
「来た!」
レバーを伝わってくる感触で分かった。『ザザザーッ』と受けるバケツに吐き出された水。
そう目的のものとは、井戸の手動ポンプ。水は蛇口からでるものの常識を打ち破る手動ポンプ。前に来た時に、不思議で何回も遊んだ。
それに、この水は冷たい。手を入れるだけで気持ち良い。
しばらく、『ガシャン』『ガシャン』と遊んでいたが、気になったのは…。バケツから溢れた水の行き先。
排水口に吸い込まれ、直に家の横の溝に出る。そして、流れて行く。
自宅では見る事の無い流れに、興味が移った。
バケツに水を貯めて一気に流す。それを追い掛けて溝へ走る。そんな事が、何だか楽しい。
流れる水を見ていて、思い付いた! 子供の大発見。
葉っぱを一緒に流せば、追い掛けやすいのでは?
試しに葉っぱを拾って来て排水口近くに置く。
「えぃ!」
バケツをひっくり返しす。押し寄せる水が葉っぱを排水口に押し込む。
(うまくいった!)
喜び勇んで、溝へ走る。
「出て来た!」
流れ出た葉っぱを追いかける。楽しい。
楽しい事も、何回もやれば飽きる…。子供は移り気だ。
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