由莉は部屋に戻りました
本日2話目です
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その頃___えりかは足をぶらんぶらんとばたつかせながら窓の方を見ていた。まだかなぁ……ゆりちゃんにあいたいな〜……
そして、ドアが開き由莉が入ってくるなり、えりかは満面の笑みをこぼしながら由莉の元へ向かうと、えいっ、と由莉に飛びついた。それを由莉は少し驚きながらも優しく受けとめた。
「おかえり、ゆりちゃん!」
「ただいま、えりかちゃん」
由莉は飛び込んできたえりかを落とさないように両腕でお尻を抱え込むようにしっかりと押さえ、なんとかバランスを保った。そして、ようやくえりかの顔を見上げるとお互いクスッと笑い合った。
「ゆりちゃん、あいたかったよ〜」
「あはは、えりかちゃんは本当に甘えん坊だね」
由莉はえりかを地面に下ろすとえりかの目を見るために少し見上げた。私の身長は大体140cmだから……えりかちゃんは150cmはあるよね。えりかちゃんの年齢は分からないけど……
私……年下なのかな……?
「どうしたの、ゆりちゃん?」
「っ、ううん!なんでもないっ」
由莉は両手で頬を叩いてそんな考えを心の底に落とした。
「さてっ、今日は何をしよっか……あ、その前にお風呂入ってもいい?少し汗でべとべとだからさ」
そう言って由莉はえりかを置いて脱衣所に行こうとしたが……なんと、それにえりかもついてきたのだ。
「え、えりかちゃん……?」
「……しも…………に……ろ……はぃ…たい」
えりかが少しもじもじしながらぼそっと喋ったせいで由莉はうまく聞き取ることが出来なかった。
「ん?今なんて__」
「わたしも、一緒におふろ……はいりたい」
「…………そっか」
由莉は少し考えた。一緒に入るということは……『あれ』を見せなくちゃいけない。私の過去の痕跡を___。でも、えりかちゃんには隠し事は無しだって……決めたから。
「うん、入ろっか」
「ほんと……?やった〜」
「…………けどね、きっと私を見たら……怖い思いをすると思う。それでも入りたいなら……こっちに来て」
由莉は少し距離をとって、えりかを突き放すかのように若干冷たくそう言い放った。分かってても……やっぱりこれを見せるのは辛いし、見る方も辛いと思う。えりかちゃんには覚悟を持って見て欲しかった。えりかちゃん、あなたはどうする___
「うん、ゆりちゃんと入りたい」
それでも___えりかは一切迷わず由莉のもとへ近づいてきた。その様子に由莉は無言で同じく近づくと力強く抱きしめた。
「ゆりちゃん、どうしたの…………?」
「…………っ」
えりかは不思議になって由莉に聞いてみるも由莉は何も言おうとしなかった。___由莉は、ただえりかの背中に隠れ一筋の涙を流して暫くの間その状態でい続けた。
(えりかちゃんは……私の事を全て受け入れようとしてくれている……嬉しい、嬉しくてどうしようもないよ…………っ。私も……えりかちゃんの体力が元に戻ったら___全て話そう。)
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由莉からの抱擁を解かれたえりかは由莉の目元が赤くなっていることに不安感を覚えた。
「ゆりちゃん、だいじょうぶだった……?目が赤いけど……」
「うんっ。……ありがとね、えりかちゃん」
「…………?うん」
由莉からお礼を言われ、全く身に覚えのなかったえりかは多少困惑しつつ頷いてそれを受け取った。
「それじゃあ……お風呂入ろっか」
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