闇ギルドに行こう!
『闇ギルド』。
そこには、この世界の闇が集っている……のだろうか。
知らないけど。俺闇ギルドに行ったのって職業貰いに行った時だけだしさ。
と、いう訳で行ってみよう。レッツ闇ギルド!
―――――――――――――
《闇ギルドに移動しました!》
相変わらず薄暗く、静かな場所である。
〈???〉
〈???〉
俺が転移すると、出迎えてくれるNPCの黒ローブ達。
名前を見ようとして黒ローブに注目しても、表示されるのはこれだけだ。
鑑定スキルをもっと上げれば名前も見えるようになるんだろうか。ちょっと違う気もするな。
「……」
「……」
周りのNPCである黒ローブたちは、俺が急に転移してきたにも関わらず何も反応なし。
「…………」
……ん?
見れば、その中に一人混じっていた黒ローブに名前が表示されていなかった。
名前が無いって事は……プレイヤーじゃねーか。
何やってんだよコイツ。
周りのNPCも流石に突っ込めよ……所詮NPCか。
「……っ……」
あ、目逸らした。
まあいいや、ほっとこ。そういうロールプレイもあるだろう。
俺なりの優しさってやつね。
「…………」
心なしか、俺に感謝の念を送っているような気がした。
良いって事よ。俺はお前みたいな変わった趣向の奴も好きだぜ!
NPCになりきるのって楽しいしな。
エターナルにフリーな世界なんだ。こんな奴がいてもおかしくない。
……ああ、面白い奴に会って満足したな、帰るか。
――――――――――――
いやいや帰らない。まだ何もしてねえ。
そういえば、闇ギルドクエストが追加されたとかなんとか前にインフォさんが言ってたっけ。
クエスト提示板は……あったあった。
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【スリ入門】
内容:スリを十回成功させる。
報酬:スキル経験値スリ
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【ピッキング入門】
内容:ピッキングを十回成功させる。
報酬:経験値・10000azl・スキル経験値ピッキング
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【PK入門】
内容:PKを十回成功させる。
報酬:経験値・10000azl・致命のリング
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【ある盗品マニアの依頼Ⅰ】
内容:PKした後、そのプレイヤーから奪ったアイテムを一定数納品する。
報酬:経験値・スキル(???)の取得・30000azl
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【取引の手伝いⅠ】
内容:始まりの町の指定のNPCから、あるアイテムを預かり闇ギルドへと納品する。
報酬:経験値・30000azl
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こんな感じだ。流石闇ギルド。5つとも物騒なクエストばっかだな……
クエストはどうやら20個まで受けられるらしい。報酬金も意外と弾むな。
いやあ勿体ない、スリとPK入門は受けてたらクリアしてたってのに。
ピッキング?そういやそんなのあったな……
鍵開けってなかなか使う機会がないもんでさ。
《スリ入門、ピッキング入門、PK入門、ある盗品マニアの依頼Ⅰを受諾しました!》
取り合えずこの4つ。
取引のやつはお使いクエストだからパス。面倒くさいから。
さて、後は……何かあるかな闇ギルド。
〈闇ギルド:スキルトレーナー〉
少し進んだ先に腕を組んだ黒ローブがおり、頭上にそう表示されていた。
彼の横には、スキル習練所みたいな感じの入り口がある。
MMOではお馴染みのスキルトレーナーさんだ。
新しいスキルやスキルのレベルを上げる際に活用されるNPCであろう。こんなとこにいたのか。
さてさて早速ちょっと話を……
「……お前にはまだ早い。出直してこい」
口を開こうとすると、黒ローブにそう吐き捨てられた。
《このコンテンツは、貴方の職業ではまだ使用できません》
優しく言い直してくれるインフォさん。
まあ、見習いの俺にはまだまだ早いってことね……
悲しいですな。
〈盗品マニア〉
スキルトレーナーから突っぱね返され、今度は酒場へと行ってみる。
木の机に椅子、薄暗い雰囲気、怪しいNPCが沢山。
その中に……先ほどのクエスト依頼人であろう人物が居た。
面白いな、闇ギルドのクエストの依頼人達はこの酒場にいるのか。
クエストを受けていくと、どんどん人脈が広がっていく感じになるのかな?
まあアイツには後日持って行ってやろう。反応が楽しみだ。
――――――――――――
他にも様々な場所があったのだが、どこも???で話しかけても突き返されるのみ。
まあまあまだ見習いですから?
さて、とりあえず一通り見れたので帰ろうかな。
クエストも受けたし、PKとスリと剥ぎ取り頑張りますか!
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