🍺旭くんと麒麟さん

 季節柄どうしても外せないお二人が、梅雨明けと共にやって来た。

 旭くんと麒麟さん。しゅわしゅわと泡の立つ、のど越しスッキリなあの二人である。

 同じようにこんがりと小麦色の肌。爽やかな笑顔と真っ白い歯。ほら見ろそれ見ろと言わんばかりの露出度の高い服装に、鍛え上げられた肉体美。字面だけ見たらそっくりなお二人の、さらさら銀髪細マッチョお兄さんが旭くんで、金髪をオールバックにした筋骨隆々のおっさんが麒麟さんである。


 気の好い二人。とにかくテンションが高い。森伊蔵さんはちょっぴり気迫負けしてしまうのであんまり近づかないようにしている。おんなじテンションで馬鹿話に興じているのは、しゅわしゅわと炭酸を纏った越乃寒梅くん。ちょっぴり夏仕様。今日もキンキンに冷えたジョークで月桂冠ちゃんと黄桜ちゃんを涼ませている。


「夏ですねえ」


 読みかけの文庫本から目を上げて宇佐美が呟く。


「ええ。彼らが来ると夏本番という気がします」


 団扇をぱたぱたとやりながら森伊蔵さんは応える。


 梅雨明けと共にやってくる喧騒は煩くて暑苦しい。けれど弾ける泡のように陽気で楽しくて。

 森伊蔵さんはこっそり、二人の来訪を心待ちにしていたりもするのだった。

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