🍶宇佐美どの
いつもの席に座って森伊蔵さんはちらりと下に視線を向けた。
今日も可愛い月桂冠ちゃんが平場にちょこんと座っている。
ピカピカになった棚は気持ちが好くて、森伊蔵さんはちょっとご機嫌だ。
何より席替えがあって面倒臭いあいつと距離が出来たのだ。
森伊蔵さんは隣に座る宇佐美を見た。
あのチャラ男と違って宇佐美は寡黙でちゃんとしている。
「伊蔵さん」
「何でしょう宇佐美どの」
会話も落ち着いている。森伊蔵さんは満足気に頷いた。
「貴方、ちょっと弛んでいます」
え。
「恋をするのはご自由ですが、四六時中カッカしていては風味に障ります」
ええっ。
「貴方の所為で焼酎全般が被害を被るのは迷惑です」
えええぇっ。
「少し心に留めておいてください」
「……はい」
宇佐美、説教垂れだった。
森伊蔵さんはしゅんと下を向く。
だけど安心して、森伊蔵さん。
可愛いあの子が、そんなあなたを可愛いなあって目で見上げているから❤
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