胸底へ沈むガーデン

とおい、遠い未来に。

いつか誰かを好きになって、

誰かひとりを選んで、

交際、結婚、子どもを育て、

ライフステージを進んでいっても、

この胸の奥には

あの時代に植え付いた

〈貴方〉への想いが

今も息づき繁り育っている。

私の酸素はここで生まれ、

夜はひっそりと此処へ還る。

誰も覗き見ることのできないシークレットガーデン

招待されるのは、

そう

この庭の種をまいた

貴方、ただ１人。

けど、もしかしたら、

もう貴方すら

踏み込むことの出来ない

私だけのオアシスになってしまっているかも。

この庭の手入れ自体が、

私の生きがいになっているかもしれない。

とおい、遠い未来に。

この庭はどんな姿に成長しているか。

想いを馳せ、今夜も月光に照らされながら、

生い茂る草花に水をやる。