第3話 101号室

 101号室に住むのは若い男である。私はこの男が気持ち悪かった。一日に何度も自慰を繰り返すのである。ただ、それだけなら、他にも長い年月の間に居住していたことはあった。


 この若い男は、私をおかずにして自慰を繰り返しているのである。これは長い間でも初めての事で私は恐怖でしかなかった。猫が私を舐めまわすのとはまた違った感じで、私の壁に顔を押し付けてくるのだ。その息は荒く、気持ちの悪い吐息の感触が私を刺激する。

 

 オーガズムに達し生じた白い液体は、用意されたティッシュに命中せずに私にかかることもしばしばである。これが私の内部で行われているという事を考えれば、私は何度も中出しというものをされていたと言っても過言ではない。無抵抗である私は何度も慮辱され続けているのだ。


 私は若い男が私を犯し始めたころのことを思い出す。あれはあまりの恐怖だったので今でも鮮明に思い出すことができる。


 手に一本のきりを持ち私に小さな穴をあけたのだ。


 その穴は小さく、そして長く開けられたため、私のもう一つの部屋である102号室へとつながってしまうほどであった。

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