俳句?

カモメ散る点描の白が融けてゆく

朝霧に電信柱が手をつなぐ

地図を買う買いたい故郷に朱線引く

霞食べ喉を震わせ笑い出す

空メール打ちてし止まむ死者もなお

影を踏む見えない影なら人間の

爪痕は木の芽を摘み取るように摘む

万物の犬になりたい連れ出して

ともがらの純真を願い床に就く

往くにつけ思い出ばかりを後に知る

常春がヤシの樹枯らした異人島

花柄のカーテンをめくる死のように

過ちと思い出ばかりで星になる

花吹けば蕾を瞼でこじ開ける

月みちて翳りゆく貌に洞無数

血の跡を汚れた血で洗うほかない

電話線束ねてつついて共栄圏

酒席では早く帰りたく酔っぱらう

退屈で真昼の帳を飲み干して

血を流す術を忘れて街路樹さん

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