蟻の雪
誰かが
吐き戻した人生を
生かされている
もう長いこと
傘をひらく
雨をしのぐためじゃなく
しぶきを撥ねて走り去る
親指くらいの背中を隠すため
ちいさな島の
とうきび畑に寝ころんで
草いきれを浴びながら
青い空をあおぎ見る
あの白いわた雲から
降りしきる粉雪の
黒が噛む供物となる
正夢に胸おどらせて
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