異世界なんだから魔法を使わせろぉ!

二色永詰

第1話「私には見える」

?「彼の名は吾妻 隼(あずま じゅん)どうやら”あの”世界に飽きてしまったようで、毎日妄想の日々、ベッドの上であんな事やこんなことを妄想してる変態だけど、私には見える……彼の可能性を……貴女には見える?」

??「可能性?……たしかに感じる……けど見えないね」

?「そう、残念ね……」

可能性……それは”この”世界を救う力…それは神の申し子…でも、なぜこの人に……






〜現実世界〜

隼「あーつまんねぇなぁ……」

俺はネットサーフィンをしつつ、ブラウザゲームをぼちぼちとプレイしている……が、飽きてきた……頬杖をつき、マウスをひたすらカチカチと押す無限ループのような無駄な時間を妄想やらなんやらに費やしたいと後悔し


隼「今は……午後10時か…なんか食おっと」

俺は椅子から立ち上がり、部屋のドアをあけ、階段へと歩き出す……だがいつもと何かが違った

隼「あれ……?」

頭が妙に重く、鋭く痛い……画面の見すぎかと思ったがその疑いはすぐに晴れた







隼「何処だ……ここ……」

鋭い痛みから解放されると、見たことのない街並みが俺の目に飛び込んで来た


俺は辺りを見回す……さっきまで廊下にいたはずなのに、知らない広場らしきところにワープ(?)していて訳が分からん……


隼「妄想のしすぎかな……」

頭を数回叩くが、景色は変わらない


隼「とりあえず……歩くか」


見慣れない文字、看板、色々なものが視界に入り、俺をワクワクさせる

行き交う人は荷を持ち、過ぎ去っていく

用もないのに話しかけてくるおばちゃん、それは変わらないようだ

だが何故だろう……言葉は通じているが、何を言っているのかさっぱり分からない、日本語のようでそうでない感じだ……


結構歩いて、郊外に出た

見渡すけど木がぽつんとあるだけの草原が広がっている


その木まで歩いていると、声をかけられた

?「旅のものか?それとも……」

見渡すが誰もいない……

?「馬鹿か?上だ、う え」

言われて木を見上げるとそこには女性がいた


隼「何のようです?」

いつも通りに応える

?「お主、何者だ?」

隼「俺が聞きたいくらいだよ」

ついさっきここに来たのだから自分がどんな者かわかるわけが無い

?「その格好からして、貴族だな?」

隼「貴族?んな馬鹿な、お前も相当いい服を着ているが?」

半袖に半ズボン、それにパーカーを羽織ってる貴族なんているか?

そう疑問に思った

?「まあな、私はこの国の王の娘だからな、当たり前だ」

ほう?序盤でお偉いさんにあってしまったという訳か……

?「お主はどこの家系じゃ?」

隼「吾妻家……だが……」

それなりに答えてみた

?「あ、吾妻とな!?」

え、なに、そんなに偉大なの?

?「まだ生きておったか……吾妻家……」

あっ……妬まれてる感じね……

?「だが、私には見えるぞ……」

隼「何が見えるんだ?」

?「可能性が」

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