目覚めの夢
春風月葉
目覚めの夢
怖い夢をみた。
眠りから覚める夢から覚める夢だった。
眠る前の世界と眠りから覚めた私のいる世界は同じだろうか?
布団の配置も、部屋の様子も、隣で眠る彼の寝顔も、何も変わってなどいないのに、私はこの場所を疑わずにはいられなかった。
そして次に目を開くと、私はまた起き上がる前の状態で布団の中で目を覚ますのだ。
夢の中で目を覚ます度に、私は世界をより強く疑うようになる。
恐怖から逃げようと彼の布団に潜り込もうとする。
そしてまた、私は夢から覚めた。
繰り返す夢が私の中に疑いの種を蒔く。
私はまだ、終わらぬ長い悪夢の中にいるのではないかと怯え震える。
そしてまた、私は目を覚ました。
目覚めの夢 春風月葉 @HarukazeTsukiha
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます