虹の笑み

春風月葉

虹の笑み

 しんしんと降る雨、なにが悲しくて泣くのだろう。

 天気はまるで幼子のようだ。

 ころころと変わって、私達を困らせたり、喜ばせたり。

 今、私は困っている。

 段々と強くなる雨、私の手の中に傘はない。

 真っ黒な雨雲の間を縫って光が差した。

 本当に天気とは不思議なものだ。

 雨雲は遠くの方へとなにもなかったかのように消えて行き、空は七色の靨を作っていた。

 私はふと甥の顔を思い出し、久しく姉に一通のメールを送った。

 晴れ渡る空の下、私はスーツが汚れるのも知らずに、水溜りを蹴って走り出した。

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虹の笑み 春風月葉 @HarukazeTsukiha

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