第4話 機械魔

「よぉ」












不意にそんな声を変えられ曖昧な意識が一気に蘇る

周り見渡すと猿たちに囲まれていた





「あー...えっと...ど、どちらさま?...」


「どちらさまって...名前がないんだよな俺たち...」


「あ、なんかすいません...って!僕の言葉わかるんですか!?」


「?」









(ソウイウノハイワナクテイイ。オレガオマエノイッテイルコトバヲジドウテキニホンヤクシテイルダケダ。キニスルナ)






「う、うん」

「何言ってるんださっきから?頭でも打ったか?」

「え?あ、うん。多分打ったと思う」

ついそんなことを言ってしまっていた

「たいして大きくないみたいだな安心しろ」

「は、はぁ。有難うございます」

「そんなにかしこまるなって。ここは夢のジャングル!食料も飲み水も資源も機械魔水源もある!」

「なんだそれ」と思いながらもとりあえずスルーしようと思ったら例の声が聞こえた

(機械魔水源ハオレタチゼンインガモッテイル機械魔をツカウタメノエネルギーダ。ナカマニオマエノブンモツクッテヤレトタノンデル)

「そういえばお前見ない顔だな。機械魔も持ってないし...ヤツが言ってたヤツかな?まぁいいや。これやるよ、これは俺たちの仲間の照明だ!」

と、見た目が丈夫な枝でできた骨組みに蓮の葉で少し包まれた感じの腕輪のようだが受け取るとそのイメージは吹っ飛んだ

その質感はまるで金属だった

「そいつは機械魔っていうやつだ。ヤツが作ったやつだからいろんなことができるぜ!」

「ヤツ?」

「ちょうどそこにいるヤツだよ合って来な。」

機械魔を右の手首につけると腕輪が光り出し、右腕全体を光が包み込む

「ヨゥ」

「お前...」

「キュウナヨビダシスマンナ...コウスルシカナカッタンダ」

その姿はまさに...










不猿だった







「ソイツノツカイカタワカランダロ?クエルスイショウクレタオレイニオシエテヤルヨ」

「あれは、キャンディだよ飴玉とも言うけど」

そんな解説を無視して不猿は木々を超えてきょろきょろとあたりを見渡した後

「コッチニコイ」とでもいうように手を振った

どうやって行くかな...







などと考えていると腕輪が激しく光り出したと思えば鎖のような物が出てきて枝に巻

きついて、まばたきをした頃には、不猿が越えた大きな崖を越えていた





「......何が起きたんだ?」

「オマエウマイナ、フツウノヤツラハツカイヤスクシテモナカナカジカンガカカルノニ...」

少し顔を赤くして照れながらも、ジャングルの中を突き進んでいった...

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